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【東京】

<まちのおもしろミュージアム>(1)東京おりがみミュージアム(墨田) 創意無限 作品にワクワク

大きな1枚の紙で作った兜(かぶと)を手にする日本折紙協会の青木伸雄編集長

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 隅田川に近いオフィス街を少し歩くと、ミュージアムがある。目印の「日本折紙協会」の看板をうっかり見落とすと、通り過ぎてしまいそうだ。

 路地に面した入り口から一歩踏み入ると、創作折り紙の世界に引き込まれる。薄いピンク色の小さい折り鶴で表現したしだれ桜の盆栽、パンダが楽しい旅に出ることをイメージした作品…。折り紙ファンには垂ぜんの空間だ。心得がなくても、創意を凝らした色彩豊かな作品は、ただ見ているだけで楽しい。

 展示品は毎年十一月十一日の「おりがみの日」にちなんで開かれる記念イベント「おりがみカーニバル」の優秀作品の一部だ。作品と一緒に撮影もできる。会員制交流サイト(SNS)のインスタ映えを狙った楽しみ方もできそうだ。

 折り紙は時代や世相に敏感だ。協会発行の月刊「おりがみ」編集長の青木伸雄さん(52)によると、テレビCMのエリマキトカゲや「だんご三兄弟」がはやった時期はそれぞれをモチーフにした作品が会員から多く寄せられた。

 折り方には一枚折りや複合折りなど複数の種類がある。幾つかのパーツを組み合わせるのが特徴のユニット折り紙は、サッカーボールやくす玉が人気という。

「パンダ、旅に出る」というタイトルで制作された草〓公子さんの作品=いずれも墨田区で

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 協会は折り紙の魅力を国内外に発信しようと一九七三年に設立。会員は世界四十以上の国に約一万人。子どもからお年寄りまで幅広く、五十〜六十代の女性が中心だという。「折紙資格認定制度」もある。

 ミュージアムは二〇一〇年にオープン。一階常設展示場では作品を鑑賞できるほか、折り方を解説した書籍を買うこともできる。二階の講習室で折り紙教室も開いている。

 協会によると、折り紙は貴族や上流の武家社会の礼法の文化として芽吹き、江戸時代に庶民が折り方を楽しむようになった。折り鶴が確認できる最古の資料は、桃山時代末期に制作された刀装具の小柄(こづか)に描かれた模様だという。

 国際的にも「ORIGAMI」で通用する折り紙だが、日本でなぜここまで普及したのか。青木さんは「折るという言葉は一般にあまりいい意味で使われないが、日本では折り包む文化が根付いていて、折り目とか折々などでも使う。そうした文化が、実用品から遊びにまで広がった理由の一つでしょう」と推測する。

 代表的な折り鶴は日本生まれと言っていいという。専務理事の佐野友さん(58)は「折ることで優しい気持ちになったり、何かを祈ったりして日本人の心に息づいてきたのが折り鶴。そんな魅力も楽しんでいただけたら」と話している。 (大沢令)

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 墨田区本所1の31の5。都営地下鉄大江戸線蔵前駅から徒歩約8分。入場無料。休館は土日を除く祝日(祝日が日曜の場合は翌月曜)。GWの28日と5月4、5日は開館。営業は午前9時半から午後5時半。5月8日まで、東京スカイツリータウン・ソラマチ5階の産業観光プラザ「すみだまち処」で折り紙販売などのイベント。ワークショップは6日まで。問い合わせは、日本折紙協会=電03(3625)1161=へ。

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 博物館や資料館が都内にはたくさんあります。興味深い展示品をそろえたり、体験型など見せ方を工夫したり。個性あふれるミュージアムを記者が訪ねて、紹介します。

※ 〓は、木へんに夘

 

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