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【東京】

草木塔、現存最古か 町田で発見 1700年代前半に建立

農家で見つかった草木塔=町田市で

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 町田市小野路町の農家で、江戸時代の元文(げんぶん)年間(一七三六〜四一年)に建立されたとみられ、現存最古と推測される草木(そうもく)塔が見つかった。草木塔は自然に感謝する石の供養塔で、年代が分かる中でこれまで最も古かった安永九(一七八〇)年の山形県米沢市の草木塔より、約四十年さかのぼる。 (松村裕子)

 この草木塔は高さ五十五センチ、幅三十三センチ。自然石の表に「草木塔」、裏に「元文」と彫られている。小野路町の農業嶋野幸男さん(71)が二月中旬、春にタケノコ掘りがしやすいよう自宅裏の竹やぶを整理していたところ、土に埋まっているのを見つけた。最初は「ただの石と思って放っておいた」が、文字を見て草木塔と気付き、道路脇の敷地に建て直した。

 郷土史に詳しい地元の小島資料館長、小島政孝さん(69)が嶋野さんに話を聞いて調査。「自然石で素朴な彫り方」と話し、現在地に越してきて延享四(一七四七)年に亡くなった嶋野家の初代が、浅間山の噴火や百姓一揆、イナゴの大発生による食料難を受けて建てた、と推測する。

 米沢市で草木塔の研究をしている置賜(おきたま)民俗学会の梅津幸保会長によると、見つかっている江戸時代の草木塔はほとんどが米沢市など置賜地方にあり、山仕事をする人たちの集団が建てたという。ほかは福島、岩手県で確認されたのみで、都内では造園業者が昭和以降に建てたケースが多い。梅津会長は「都内に江戸時代の草木塔があったのは大発見。川のそばに建てられ、流失した草木塔もあるが、残っている中では最も古い」と驚く。

 丘陵地で自然豊かな小野路町では「開発で自然が減る中、自然を大切にする心を子どもに伝え、自然を守りたい」と、嶋野さんら住民有志が都指定の図師小野路歴史環境保全地域の入り口付近に、新しい草木塔を建て、十八日に供養祭を催す。有志による「草木塔を建てる会」会長でもある小島さんは偶然、同時期にお披露目される新旧の草木塔に「小野路を訪れる人にも地元の人にも自然を再認識してほしい」と話す。

 

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