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【東京】

ドラマ「下町ロケット」ロケ地 大田の製作所 敷地内に工場アパート開設

「工場アパート」の入居部屋でこれからの展望などについて話すインターナショナルダイヤモンドの江口國康社長(中)と桂川精螺製作所の大嶌達士郎さん(右)=いずれも大田区で

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 人気ドラマ「下町ロケット」のロケ地になった大田区のねじメーカー桂川精螺(せいら)製作所が、新たに工場アパートを本社敷地内に開設した。約三千五百の工場がひしめく「ものづくりのまち」の同区でも、民間の工場アパートは初めてで、区は建設費の一部の支援を決めた。取締役の大嶌達士郎さん(41)は「入居企業と連携し商品開発を目指す」と意気込む。入居した企業も協力に前向きで、ものづくりの新たな息吹となりそうだ。 (市川千晴)

 ロケットを思わせる鉄塔がのびた特徴ある旧社屋は、ドラマで主人公が経営する「佃製作所」の本社として使われ、さまざまな困難と葛藤しながら社員らが手を携える舞台となった。大嶌さんは「佃製作所の物語は、ものづくりに懸けるわが社にも通じるところがあった」と語る。

 旧社屋は撮影後に解体し、昨年秋に、五階建ての新社屋に建て替えた。工場部門を静岡県内の拠点に集約させ、新社屋で研究部門を拡充する際に、一〜三階部分の一部を工場アパートにした。一つの建物内で複数の企業が機械を置いて製造業を営めるよう、高圧電源や厚い床、防音対策等を施した部屋を調えた。各社の技術陣がアイデアをぶつけ合う舞台に「桂川技術集積所」と名付けた。

 支援する大田区の工業振興担当課長は「官民のコラボで、ものづくり産業の維持発展に寄与する例は全国的にも珍しい。今後も力を入れたい」と話す。

 入居したダイヤモンド工具メーカー「インターナショナルダイヤモンド」(同区矢口)は、自前の工場が手狭になり、一部を移転させた。本社から自転車で約十分の距離で、部品や完成品の運搬等もスムーズ。江口國康社長(52)は「オール大田で商品開発しようという流れ。職人技に加え、迅速な決断と行動力が中小企業の強みだ。挑戦したい」とものづくりのまちの底力を見せる共同開発に、意欲をみせる。

 「下町ロケットで注目を浴び、社員も誇りと新規事業に挑戦する士気が高まった」とみている大嶌さん。「大田区は多様な技術のある会社がそろっている。入居企業同士で気軽に食事や話をし、アイデアや技術を融合できたら新製品も夢でない」と期待を語った。

桂川精螺製作所の「工場アパート」の外観

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