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【東京】

<移住者新時代>型にはまらぬ生き方を 港区の大手広告会社勤務→地域おこし協力隊

地域おこし協力隊員の活動を振り返る柳沢明さん=茨城県笠間市で

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◆茨城県・笠間市柳沢明さん(61)

 大手広告会社「博報堂」(港区)で三十年以上、働いた。会社のプロジェクトを通じ、新規事業に乗り出したい人や、米国で次々と起業する人と話す機会を得た。大きな組織と異なる価値観に触れ、違う生き方があると感じた。「視点を変えれば、人間は自由になれるし、選択肢が広がる」と考えた。

 具体的に何をやろうというビジョンはなかった。ただ、組織から自由になり、好きなことを見つけ生活していこうと、思い切って会社を辞め、住んでいたさいたま市からも出ることを決意した。

 退職後、国の「地域おこし協力隊」のことを知った。一定期間、給与を受け取りながら対象の自治体で生活し、農林水産業や地域活性化などの手伝いをしていく制度だ。「新しい場所で、暮らしの基盤ができるかと思った。会社で培ったノウハウも使えればと。身一つで見知らぬ土地に行くより、地域に入りやすい」と利用することにした。

 総務省のホームページによると二〇一八年度で、全国千超の自治体で隊員が活動する。その中で、年齢が不問で、妻の実家が茨城県内だったことから、同県笠間市を選んだ。都内で知人の会社を手伝っていたこともあり、東京へのアクセスが良いこともポイントだった。

 一六年に地域おこし協力隊に就任し移住。農業を担当し、ワインの事業開発やシイタケのブランディング、栗とハチミツの商品開発などに携わった。市の農業の生産者や生産物などを紹介するホームページも作成した。「ネットの仕事を長くやって、ホームページの構成はすぐに思い描けた」といい、これまでの経験を生かせる部分もあった。

 「やりたいことがある人を手伝うのも、一つのやりがいと感じた。協力隊に入り、体を使って覚えたり考えたりできた部分が良かった」と話す。

 三月に任期を終え、新しいスタートを切った。現在は、農業公社の手伝いや子ども向けの将棋教室などをしている。コミュニティーカフェ「カフェナナイロ」の運営も引き継ぎ、活用法は模索しているところだ。「頭でっかちにならず、体を動かして生活したい。型にはまらない生き方をする人も増えてきていて、気がつけば、風通しの良い社会になっているといい」と希望を語る。 (水谷エリナ)

 

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