東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 東京 > 記事一覧 > 6月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【東京】

資源収集で地域の絆 「しげんカフェ」荒川で始動

造花で飾られたリヤカーに段ボールなどを山積みにする男性たち=いずれも荒川区で

写真

 資源収集で環境を守り、人々の交流や就労を促すという「しげんカフェ」。愛知県発祥のこんな取り組みが、荒川区内でも始まった。元路上生活者や生活保護利用者が地域で段ボールなどを回収し、収益を子ども食堂などに役立てる。人々が自然に触れ合い、絆が深まる回収作業が、「居場所」としても機能している。 (中村真暁)

 「段ボールはありませんか」。先月三十日、男性三人と女性一人が、荒川区内の商店街をリヤカーを押して練り歩いた。区内を拠点に隅田川沿いなどで生活相談や医療支援をする一般社団法人「あじいる」のメンバーだ。元路上生活者らもいる。薬店や青果店、社会福祉協議会の店員や職員が資源を提供し、「ご苦労さま」と次々と声をかけた。

 照井利昭さん(66)も路上生活の経験者。膝を痛めて障害者手帳を持つ。「回収量が増えてきた。みなさんの協力のおかげ」。てきぱきと古着や段ボールを積みながら、にこやかに話す。リヤカーには、区内の子どもたちと一緒に飾った造花が添えてあった。

 しげんカフェは、生活困窮者らが働くリサイクルショップを運営する区内の企業組合「あうん」(東日暮里一)が週三回実施。あじいるには、木曜日に行う移動回収を委託している。業者に販売して得た売り上げの一部を「あらかわ子ども応援ネットワーク」に寄付。このお金は、生活困窮世帯などの子どもに食事や居場所を提供する子ども食堂や学習支援事業などの運営に回される。

 一方、月、金曜はあうん自体が、周辺住人らから持ち込まれた資源を買い取る。収益は活動費に充てる。来年には、実際の「居場所」として交流拠点のカフェを、あうんに併設する計画という。

 しげんカフェ発祥の地、愛知県津島市などで視察や準備を重ねてきたあうんの荒川茂子代表理事(64)は、「路上生活を経験し、生活保護を利用する人の多くは、地域に出ていくことが難しい。資源回収なら、地域に直接出て声をかけられ、やりがいにもなる」と、その意義を説明する。

 荒川さんらにノウハウを伝えた津島市の一般社団法人「しげんカフェシステムズ」の浅井直樹代表理事(66)は「居場所になっていれば、しげんカフェに決まった形はない。子育て中の母親や高齢者などさまざまな人が寄り集まっている所もある。多様な人が支え合う、あじいるらしい取り組みも、うれしい」と語る。

 しげんカフェは、都内でも東村山市で、難病や引きこもりなどで就労困難な人が働く事業所「スーユンタン」が九日に開始するなど、各地に広がっている。

資源を回収するあうんのコーナー

写真
 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報