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【東京】

三鷹・新川で空き家再生計画 シェアハウスと地域交流拠点に

「えんがわ家」管理人の小川カノンさん(右)とオーナーの中島啓二さん=いずれも三鷹市新川で

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 三鷹市新川の住宅地で、築50年の空き家を多世代が暮らすシェアハウスと保育機能を備えた地域住民の交流スペースへ再生するプロジェクトが動きだした。「世代を超え、みんなで支え合う拠点を作りたい」と願う市民有志や大学生らが立案。改装資金の一部を調達するため、クラウドファンディングを始めた。急増する空き家の活用に新風を吹き込むケースになりそうだ。(花井勝規)

 空き家は木造二階建て延べ約百五十平方メートルで、間取りは5LDK。大家は隣接地に居を構える会社員中島啓二さん(53)。二年半前に住んでいた母親が亡くなり、不動産業者に相談したが、「貸家にするため多額のリフォーム費用をかけても、すぐに借り手が見つかるか見通しは立たなかった」と振り返る。

 次に相談したのが、空き家の活用やまちおこしへの関心が高い市民有志ら。議論に加わるメンバーが三十人以上に膨らみ、昨年五月に空き家の用途を探る市民グループ「アキヤカフェ」に発展。二階の三部屋を「シェアハウス」に、一階や庭を「地域に開かれたコミュニティースペース」に改装する方向が定まった。入居する「シェアメイト」三人も決まった。

 今年八月からの本格稼働に向け空き家を「えんがわ家(や)」と命名。「縁の輪が広がる」などの願いを込めた。独立採算制で非営利の運営団体を作り、シェアメイト三人から集める月五万円(予定)の部屋代を活動資金の原資に充てる。家賃を支払いながら、一階で有料イベントなどを行う持続可能な事業モデルを目指す。

 クラウドファンディングのサイト「CAMPFIRE」には「『ただいま』と『おかえり』が世代を結ぶ、地域の第2のおうちをつくりたい!」のタイトルで掲載。段差解消やシェアハウス仕様への工事費など計百五十万円を目標に、来月二十一日まで寄付を募る。

 寄付の呼び掛け人はシェアメイトで、えんがわ家の管理人小川カノンさん(24)。保育園と認知症デイサービスを併設運営するNPO法人で働く保育士だ。「職場外でも赤ちゃんからお年寄りまで血縁関係なく支え合える第二の家を作りたい」とプロジェクトの中核メンバーに。「将来は保育士が常駐する態勢に」と夢を描く。

新たなコミュニティー拠点として地域に開放する庭で草むしりに励む人たち

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 ほかのシェアメイトは、「子どもたちが家庭と学校だけでなく、地域の大人と触れ合い成長する姿を見守りたい」と語る高校教師の男性(26)と、「シニア世代の新しい住まい方や地域と共生する暮らし方の学びの場に」と志願した管理栄養士の女性(55)。

 庭の整備では、大学生たちが近所の子どもたちの要望を聞き改善プランを立案。工学院大で建築学を専攻する坊田翔さん(21)は「学んでいることを生かし、希望ある未来に向け地元を活性化したい」と意気込む。

 「プロジェクトに関わる人たちがみな『自分ごと』のように取り組む熱意に感化された」と驚くのは、リフォームを担当する市内の一級建築士藤野敬史さん(43)。「壊して作るのではなく、今あるものを使い、新たな使い方を考える。それも設計だと考えるようになった」と話していた。

 問い合わせはメール=engawaya.mitaka@gmail.com。平日午後七時〜九時、土日祝日午前十時〜午後四時は電話=050(5361)9756=でも受け付ける。

 

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