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【東京】

<ひと ゆめ みらい>「団地愛」を次世代に 高島平観光協会(仮)広報担当・塚原智美さん(47)

高島平観光協会(仮)の塚原智美さん=板橋区の高島平団地で

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 「観光協会」といっても、行政の関連団体ではない。都営団地育ちの同世代の女性とツイッターで知り合い、意気投合。二〇一二年、高島平団地の四十周年イベントに参加するにあたり「かっこかり」付きで発足したメンバー二人のボランティア団体だ。「(仮)は永久に(仮)。『(仮)って、どういうこと?』って聞いてもらえれば、そこから話が広がるんです」

 高島平という地名は一九六九年三月に付けられた。団地の入居が始まったのが七二年。その年の四月に生まれた。「父が団地の部屋に電球を付けている時に、私が生まれたという連絡を受けて、ここから慌てて病院に向かったそうです」という。成人後は団地の別棟に一人暮らしをし、結婚後も住み続けている。

 子どもの頃の遊び場は団地の階段や緑地のすき間。級友も全員が団地の子で「一軒家って、どんなんだろうね」と話していたという。試験期間中、夜に懐中電灯でサインを送って起きているか確認しあったり。

 そんな生粋の団地っ子が地域活動に興味を持ったきっかけは、小学校の跡地利用が知らない間に決まっていたこと。「選挙と同じで、声を上げないと特定の人たちの意見だけで決まってしまう」と二〇一一年、区の高齢者包括ケア委員に応募した。街づくりにはさまざまな世代の力が必要だ。「このまま団地は終わっていく」という住民の声を耳にした時、ジュニア世代として「いやいや、終わらせるつもりはない。世代が“交代”するんじゃなく、“引き継ぎ”“並走”していく期間があれば」と感じたという。

 これまでに外部の人を招いた団地見学ツアー、公園での手持ち花火大会など団地の魅力をPRするユニークなイベントを企画。今年三月の高島平五十歳の誕生祭では地ビールでの乾杯イベントを担当。会場に来られなかった人もSNSに乾杯写真を投稿してくれて「団地愛」が広がった。

 高齢化、老朽化で団地は過渡期を迎えている。大規模な開発の話も出ているが「あまりにも変わってしまうと特徴や魅力がなくなる」と危惧する。「きれいなものはどこにでも作れるし、都心にはかなわない。五十年みんなで育ててきた魅力をもっと磨いて、次の世代へとつなげていきたい。そのために活動していきたい」 (宮崎美紀子)

<高島平観光協会(仮)> (仮)まで含めて正式名称のボランティア団体。増え続ける首都圏の人口の受け皿として開発された高島平地区を活性化し、外に向けて魅力を発信するため、2012年に発足。正式メンバーは2人だが、イベントごとに志を同じくする他の団体や地域の人々とつながり、活動している。活動報告や告知はホームページ(http://takashimadaira.com/)やフェイスブック、ツイッターで。

 

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