東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 東京 > 記事一覧 > 7月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【東京】

「東京干潟」から現代が見える 東中野連作ドキュメンタリー あすから公開

干潟でシジミを採る男性(「東京干潟」より、いずれも村上浩康さん提供)

写真

 多摩川河口の干潟で四年にわたり撮影した連作ドキュメンタリー映画が十三日、中野区の映画館「ポレポレ東中野」で公開される。干潟でシジミを採る高齢男性の波乱に富んだ人生から現代の問題を浮き彫りにした「東京干潟」と、干潟のカニを追った「蟹(かに)の惑星」で、同じ場所を違う視点から見つめた。村上浩康監督(52)=目黒区=は「東京の最下流から今の社会が抱える問題が見える」と話す。 (松村裕子)

 村上監督は、テレビを見て興味を持った干潟が東京にもあると知り、二〇一五年から映像ディレクターの仕事の傍ら干潟に通い始めた。約一カ月後、八十代の男性二人に出会った。シジミを採るホームレスと、趣味でカニの観察を続ける近くの男性で、「運命を感じて映画にせねばと思った」。週三日ほど一人で撮影に当たり、今年完成した。

 ホームレスの男性は九州の炭鉱町に生まれ、父の住む返還前の沖縄で米軍基地に勤務。その後上京して建設会社を営み、バブル期には都庁やレインボーブリッジなど東京の代表的建造物の建設に孫請けとして携わった、と男性は語る。十年余り前からはシジミ採りで稼いだ金で、河口の小屋で捨て猫と隠とん生活を送る。村上監督は、打ち解ける中で身の上話を聞き、あらためてインタビュー。男性の人生から環境破壊やペット遺棄、高齢化、格差問題をクローズアップした。

アカテガニ(「蟹の惑星」より)

写真

 干潟に生息する約十種類のカニを、腰痛になりながらも根気よくマクロレンズで撮影。カニの生態は月の満ち欠けによる潮の満ち引きと関係があり、カニと宇宙の時空を超えたつながりを描いた。

 村上監督は「二〇年五輪に向けて下流部の開発も進む。一見関係なさそうな干潟と五輪が経済的、社会的につながっていることが分かる。いろんな視点から世の中を見て」と話す。

 十九日までは一日二本、二十日〜八月二日は日替わりで上映。前売り千二百円、当日千五百円、二本目は半券があれば千円。問い合わせはポレポレ東中野=電03(3371)0088=へ。 

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報