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【東京】

<夏の高校野球>国学院久我山がV 28年ぶり聖地へ 猛追の創価に競り勝つ

甲子園出場を決め、抱き合って喜ぶ高下投手(左から2人目)ら国学院久我山ナイン=いずれも神宮球場で

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 夏の甲子園出場をかけた第101回全国高校野球選手権の西東京大会は二十八日、神宮球場(新宿区)で決勝があり、国学院久我山(杉並区)が4−2で創価(小平市)に競り勝った。夏出場は井口資仁・現ロッテ監督を擁した一九九一年以来、28年ぶり3回目。全国屈指の激戦区と言われる西東京を制して球児たちの聖地に乗り込む。

 2万1000人の観客を集めた熱戦は最終回までもつれた。国学院久我山は九回1死一、二塁で、2番岡田和也選手が中前に勝ち越し打。序盤に2点を先取した後は追加点が奪えず我慢の時間が続いたが、エース右腕の高下耀介投手が連打を許さない粘投をみせ、勝利を呼び込んだ。

 ノーシードから勝ち上がった創価は、4番中山竜星選手の本塁打などで猛追した。快進撃を支えてきた左腕古川風勝(かざまさ)投手はこの日も緩急を使ってテンポよく投げたが、最後に捕まった。

◆ぜひ甲子園1勝を

<ロッテ・井口監督の話> 母校が甲子園出場を決めて、本当にうれしく思う。OBは甲子園1勝ということを目標に応援し続けてきた。ぜひ達成してほしいし、それ以上を目指して頑張ってほしい。

◆監督・主将談話

<国学院久我山・尾崎直輝監督> 選手が粘り強さと意地を見せてくれた。高下はエースらしい素晴らしい投球だった。甲子園では全員野球をしてOBの皆さんと共に校歌を歌いたい。

<同・中沢直之主将> 粘り強くて嫌な相手だった。大会は苦しい試合が続いたが、甲子園で校歌を歌うというチームの目標を達成できてほっとしている。応援してくれる人に結果で恩返しをしたい。

<創価・片桐哲郎監督> 粘り強く戦い抜いてくれた。この選手たちに巡り合えたことに感謝したい。先発の古川は、立ち上がりに制球が定まらないところはあったものの、中盤以降は彼らしいピッチングをしてくれた。ほめてあげたい。

<同・佐々木貴矢主将> 一戦一戦が苦しい戦いになると思って大会に臨んだ。結果的に準優勝だったが、チームは一層団結できた。

<ヒーロー>冷静な4番、異国で成長 国学院久我山3年・宮崎恭輔捕手

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 28年ぶりの栄冠が決まった瞬間、粘投のエースに真っ先に抱きついた。投打に活躍したチームの要は「甲子園に行きたい気持ちを最後まで強く持てた」と誇らしげに校歌を歌った。

 「勝負強さは誰にも負けない」という打撃は大一番でも健在だった。初回2死二塁で、フルカウントから右前におっつける先制打。追加点が欲しい最終回も、2死一、三塁で外角の直球をコンパクトに振り抜き、勝利をたぐり寄せた。

 憎いほど冷静な打撃に、尾崎監督も「状況に応じて打ち分けられる」と全幅の信頼を寄せる。準々決勝の早稲田実戦では、最終回にサヨナラ満塁本塁打。劇的な勝ち方でチームは確実に勢いづいた。

 新体制がスタートした当初は謙虚さを忘れるプレーも露見した。考えを改めるきっかけとなったのが、都選抜の一員として海を渡った昨年末のキューバ遠征。ライバル校の精鋭と過ごし、「もっと練習しなければ」と自分の立場を見つめ直した。

 OBたちの悲願でもある甲子園初勝利をかけて、いよいよ夢のステージに立つ。「今からわくわくしている」。異国の地で成長した頼れる4番がナインを力強くけん引する。 (加藤健太)

<熱球譜>チーム一丸「やり切った」 創価3年・古川風勝(かざまさ)投手

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 「チームのみんなに申し訳ない。今までで一番悔しかった」。試合後、そう口にして唇をかんだ。だが、入部からの2年余を振り返るうちに、「やり切った」という自信に満ちた表情に変わった。

 入部当初は中堅手。先輩たちの背中を追い掛け、新チームになってエースを任された。ひじの故障で春の大会は投げられなかったが、走り込みで強靱(きょうじん)な体作りに努め、故障の原因となった投球フォームを改善。自主練習など練習量も増やし、チーム一丸となった取り組みは今大会で成果に表れた。

 12年ぶりの夏の大会をあと一歩で逃した悔しさはひとしおだ。一方で「勝負は楽しかった」との思いも込み上げる。国学院久我山の主砲、宮崎恭輔選手(3年)とは共に昨年、都選抜の選手としてキューバに遠征。互いに研さんして以来、この日の決勝が初対決となった。

 打席の宮崎選手が笑顔で合図を送っているのに気付き、笑顔で返した。5打数2安打を浴びたが、全力でぶつかった結果だった。「おまえたちの分も頑張る」。閉会式で退場する際に掛けられた言葉が心に染みた。

 「今日の経験で制球の課題が見えた。大学でも通用する選手になりたい」。この日の思いを胸に、前を向いた。 (服部展和)

 

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