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【東京】

<東京人>私鉄がつくったまち 鉄道延び、東京は広がった

2000年に復元された、東急電鉄田園調布駅の駅舎。駅から放射状に街路が広がる

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 自分が住んでいる住宅地の成り立ちを、ご存じでしょうか? 東京の住宅地開発は、江戸が明治になり、山手線の内側では武家地の分割からはじまります。そして大正期、中産階級の成立によってサラリーマンが増え、住宅地はさらに広がり、昭和にかけて私鉄各社は宅地分譲や学校誘致などとともに鉄道を郊外に延ばし、沿線ごとの郊外文化が形成されました。

 世界的に見ても私鉄が都市開発を行う例は少なく、北海道大学名誉教授の越澤明さんは東京人九月号で、「郊外まで鉄道網が発達し、駅を中心に住宅地ができており、都市的生活を格差なく平等に享受できる」のが、欧米や途上国とは違う、東京の都市開発の特徴だと述べます。

 東京の私鉄が最初に手がけた住宅地は、大正十一年、阪急の小林一三がアドバイザーとして関わった、渋沢栄一と五島慶太が率いる田園都市株式会社(現東京急行電鉄株式会社)の洗足田園都市です。そして翌年、今でも高級住宅地の代名詞にもなっている、多摩川台住宅地(田園調布)の分譲と続きます。

 私鉄の住宅地開発は、戦後の高度経済成長期にかけてさらに進み、誕生から半世紀以上が過ぎた郊外住宅地では、住民の高齢化やインフラの老朽化など新たな問題に直面しています。そのような郊外住宅地では今、行政や自治会などと連携して解決方法を思案するなど、持続可能なまちづくりをめざしています。

 次週以降、各私鉄のまちづくりの歩みを紹介いたします。(「東京人」副編集長・田中紀子)

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 「都市を味わい、都市を批評し、都市を創る」をキャッチコピーに掲げる月刊誌「東京人」の編集部が、9月号の記事をもとに都内各地の情報をお届けします。問い合わせは、「東京人」編集部=電03(3237)1790(平日)=へ。

 

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