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【東京】

<ヒーロー>いだてん 足で揺さぶる 関東一3年・大久保翔太選手

1回裏無死、セーフティーバントで出塁する大久保翔太選手=甲子園球場で

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 50メートル5秒7のいだてんぶりを初回から見せつけた。初球でセーフティーバントを試み、あっという間に一塁に到達。「投げ終わった後に体が一塁側に傾く」と相手投手の癖を見抜き、逆をつく三塁側に狙い通り転がした。

 足の脅威を植え付けるにはこの1球で十分だった。2打席目以降もバントの構えで揺さぶり、相手に余計な神経を使わせて3四球を選んだ。1番打者の役目を果たしても自己評価は厳しかった。「全て出塁したいので30点」と唯一凡退した五回の打席を悔やんだ。

 東東京大会の7盗塁は甲子園出場選手の中で最多タイ。この日は機会に恵まれなかったが、「思ったよりも柔らかい。スパイクがよく刺さるので蹴りやすい」と土の感触を確かめた。

 攻守にわたって自慢の脚力を披露する裏で、緊張と暑さから両足をつりながらプレーしていた。守備を終えて戻るたびにベンチ裏でマッサージを受けた。

 「元々つりやすい」というように、少年時代からけがに悩まされた。その経験から理学療法士になることを目標にしてきた。小学校の時に出会った理学療法士は甲子園で活躍した経験があり、球児の心境をよく理解してくれた。その姿にあこがれた。

 卒業後は医療を学ぶつもりだったが、甲子園の舞台に立って急に気持ちが揺らぎだした。「野球が楽しくて楽しくてしょうがない。上を目指したくなった」。顔をくしゃくしゃにしながら素直な思いが口をついた。 (加藤健太)

 

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