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【東京】

<ひと ゆめ みらい>阿波踊りで活性化の熱を 白金北里通り商店会会長・佐藤伸弘さん(50)

阿波踊りによる街の活性化について話す佐藤伸弘会長=港区で

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 カランカラン、チチンカラリン−。高く鋭い鉦(かね)の音を先導に、浴衣に編みがさの女性や、法被を着た男性たちがダイナミックに踊り歩く。それが近づいてくると、通りの両側にいる見物客から歓声が湧き起こった。

 港区の夏の風物詩ともいえる「第十回白金阿波踊り」が先月十四日、白金北里通りであった。立ち上げから関わり、この通りの商店会長として実行委員長も務めている。

 生まれも育ちも白金。金物全般を扱う「佐藤栄次郎商店」の三代目だ。店を構える商店会は物を売るだけでなく、地域と人のつながりを大切にしている。

 子どもの頃、地元の氷川神社のお祭りで、神主が白馬にまたがってバス通りを練り歩くのを見た。たくさんの楽しい思い出がある。時が流れ、商店会は店主の高齢化による閉店や、マンションへの建て替えで徐々に活気を失った。にぎわいは、歳末大売り出しのときなどに限られるようになった。

 十年前のある夜、役員仲間で話し合い「若い世代や子どもたちと顔の見える付き合いができるよう、祭りで地域を盛り上げよう」と決めた。

 偶然同じ飲食店に居合わせた男性が、「高円寺阿波おどり」に出演する「東京天水連」の連長だった。「阿波踊りだったらできますよ」と引き受けてくれ、翌年から開催が決まった。

 だが交通規制が壁となった。商店街は都道。都バスが三、四分に一本は通る。やっとのことで片側一車線の道路使用許可がおり、都バスは片側交互通行で運行してもらい、一回目が始まった。両側の道路を通行止めにして一時間十分の祭りができるようになったのは第八回からだ。

 この間、行政や地域の理解と協力を得ようと、警察署の交通安全協会の役員や、港区の民生委員、児童委員、観光大使、保護司など地域のあらゆる役職を引き受け、粘り強く交渉した。交通整理や模擬店など祭りを支えている人たちは、こうしたつながりから生まれた仲間だ。

 三年前から、本場の徳島県阿南市と交流が始まり、互いの祭りで物産展を開くようになった。今年は、阿南市役所の阿波踊りグループ「ささゆり連」の十人が踊りを手ほどきし、地元とのコラボ連が誕生した。

 「阿波踊りは見るだけじゃなく、踊らないと。白金連ができるのが夢だ」 (市川千晴)

 1969年生まれ。商店会のお膝元にある北里大学の大村智・特別栄誉教授がノーベル賞を受賞した2015年は、地元オリジナル純米酒「白金三光町」を祝い酒に振る舞うなど、抜群のアイデアと行動力。趣味はビオラ。「阿波踊り界のマエストロ」と慕われている。

 

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