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【東京】

<夏の甲子園>足絡め 関東一らしさ 熊本工振り切り3回戦へ

熊本工−関東一 5回裏、適時打を放った初谷選手(手前左)が相手失策の間に生還し、歓喜する関東一ナイン=いずれも甲子園球場で

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 エース右腕が持ち味を存分に発揮した。甲子園球場で十四日に行われた全国高校野球選手権大会で、関東一(東東京)は6−5で熊本工(熊本)を振り切り、4強入りした二〇一五年以来の3回戦進出を決めた。台風10号の接近で十五日が中止となったため、次は十七日午後三時半から鶴岡東(山形)と対戦する。 (加藤健太、福浦未乃理)

 関東一は同点の五回、1回戦で本塁打を放っている4番平泉遼馬選手(3年)の中前打を皮切りに5連打で4得点。持ち味の機動力も絡めて畳み掛け、相手左腕を攻略した。

 1点差に迫られた直後の七回は、敵失で出た走者が渋谷嘉人主将(同)の犠飛で生還。米沢貴光監督が「あそこで1点取れたのが大きかった」とたたえる一打となった。

 投げては二枚看板を担う背番号1の土屋大和投手(同)が打たせて取る投球をみせ、被安打7で完投。初戦で好投した谷幸之助投手(同)が肩を休められたのは、日程が詰まってくる今後に向けて弾みとなった。

 台風の接近で、土が舞って何度もタイムがかかるほど強い風が吹いたが、守り勝つ野球をテーマに掲げてきたナインは無失策で守り切った。試合前のノックでは多めにフライを受けて入念に準備していた。

 チームカラーの紫色に染まったアルプス席で、吹奏楽部3年の飯島未来さんは「たくさんのOBが駆け付けてくれて応援に迫力が出た。この勢いでベスト4以上に進んでほしい」と期待を込めた。

 二〇一〇年出場時の中堅手だった羽毛田裕基さん(26)は「ここに来ると現役の時の真っすぐさを思い出す。情熱を全てぶつけてほしい」と躍動する後輩にエールを送った。

◆監督・主将談話

<米沢貴光監督> 「安打1本で1点取るということを常にやってきた。(五回は)走塁で4点取れた」

<渋谷嘉人主将> 「力のあるチームに勝てたことを自信に、次の試合も頑張りたい」

◆「低め、低めへ」ゴロの山 関東一3年・土屋大和投手

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 リプレーを見ているように同じようなゴロが野手のグラブに収まっていった。「低め低めとずっと意識していた」。最後の打者もゴロで打ち取り、涼しげな表情で整列に加わった。

 強力打線への対抗策は低めを突くことだった。「制球力には自信がある」。膝くらいの高さに集めたツーシームとチェンジアップに、打者はボールの上ばかりをたたいた。27個のアウトのうち、半数以上を内野ゴロで仕留めた。

 低さにこだわった理由はもう一つあった。台風接近による強風の中、風に流されやすいフライはリスクが高かった。打たせたフライはたったの三つ。二塁手の村岡拓海選手(3年)は「テンポ良く投げてくれるから守りやすい」と、無失策で支えた守備陣の思いを代弁した。

 初戦は緊張から甘いコースの球が目立ち、4回5失点と悔いを残した。フォームを修正して再び先発のマウンドに上がり、本来の落ち着きも取り戻した。この日も同じ5失点だったが「持ち味を出せたので意味合いは全く違う」と充実感を漂わせた。

 初戦は、ともに二枚看板を担ってきた谷幸之助投手に好救援でカバーしてもらい、頼もしい勇姿に「次は自分が」と発奮した。これまで高め合ってきた2人のエースが、ここに来てさらに切磋琢磨(せっさたくま)を始めている。4強入りした二〇一五年の再現へ。チームの雰囲気がとても良い。 (加藤健太)

 

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