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【東京】

<熱球譜>病再発もグラウンドに 関東一3年・金森優(かなもり・すぐる)選手

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 甲子園に戻ってこられた。その喜びをかみしめ、三塁コーチとしてグラウンドに立った。「一番うれしいのは最後まで仲間と野球ができたこと」。小柄な167センチの体で思い切り胸を張った。

 高校一年の冬に顔や体がむくむ「ネフローゼ症候群」を発症した。以降、薬や通院で抑えてきたが、勝利に沸いた1回戦の後に初めて再発した。「これからっていう時に」。歓喜からどん底まで突き落とされた。

 翌日、戻ってくるつもりで最低限の荷物だけを持って東京へ。医師の診断は入院。付き添った父寛さん(47)が「あんな息子を初めて見た」というほど体を震わせて泣いた。

 点滴をして戻り、2回戦以降も再び甲子園に姿をみせた。小学校から一緒の藤松丈一郎選手(3年)が「帰ってきてくれて本当にうれしかった」と話すように、チームはさらに結束した。

 三塁コーチは走塁が武器の関東一の野球に欠かせない。鋭い観察眼がなせる好判断が光った。途中出場した1回戦は貴重な適時打も放った。藤松選手が三塁打でお膳立てした好機だった。

 甲子園での活躍は病気の人に勇気を与えたはずだ。「自分より苦しい思いをしている人はたくさんいる。病気で苦しむ人の力になりたい」。再発の苦難を経て、背番号5はさらにたくましくなった。 (加藤健太)

 

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