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【東京】

井の頭池 生物の楽園に ツツイトモ6倍 トンボ3倍

池面を覆うように大繁殖したツツイトモ(7月10日撮影)=いずれも三鷹市の井の頭池で

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 今夏、環境省指定の絶滅危惧種の水草「ツツイトモ」が池面を覆うように繁殖し、様相が一変した三鷹市の井の頭池。水草をクロード・モネが描いたスイレンに見立てて「まるでモネの池」などと評判となり、大きな話題を呼んだ。池のある井の頭恩賜公園を管理する都西部公園緑地事務所の調査で、「ツツイトモ」の池面を覆う割合が昨年の約6倍に拡大したことが判明。3回のかいぼり効果による希少植物の大復活がデータからも裏付けられた。 (花井勝規)

 事務所の委託で環境調査会社「ゼフィルス」が毎年四〜七月に実施している潜水による目視調査のうち、昨年五月と今年五月の結果を比較した。昨年は十メートル四方、今年は二十メートル四方の範囲にどれだけツツイトモの群生が覆っているかの「被度」を確認。75%〜100%を示す最高ランクの「5」などに色分けした。

 ツツイトモはヒルムシロ科の沈水植物。一三年度以降、池の水を抜いて天日にあてる三回のかいぼりで復活し、年々増えてきたが、一年前と比べてボート場付近での繁殖が顕著になっているのがデータ上でも一目瞭然だ。

池面では水草の上で休むスッポンの姿も見られるようになった

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 四年前から池の調査を担当している同社の伊藤晴康社長は「池の水の透明度が上がり、池底に光が届き、発芽しやすい環境が生まれた。かいぼりの効果は大きい。ゆっくりと着実に生態系が元に戻ってきているのを感じる」と話す。

 ツツイトモなど水草の大復活は、池の水辺で暮らす在来生物にも好影響を与えているようだ。繁茂する水草の上で、甲羅干しをするかのように休むスッポンの姿が頻繁に目撃されるようになり、水鳥のカイツブリは今年、過去最多の六組のつがいが確認された。水草に産卵するイトヨリトンボなどトンボの個体数は昨年の三倍に増えている。

 かいぼりのコーディネーターを務めた認定NPO法人生態工房(武蔵野市)の佐藤方博事務局長は「『モネの池』と報道され、池を見に来る来園者が増えた。水辺の生物を含め、池をめでる人が目立ってきたのは喜ばしい」と話していた。

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