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【東京】

【動画あり】甲子園沸かせた久我山の「魔曲」 作詞はけがに泣いた元エース

応援団長として声をからす高校時代の東祥太郎さん(本人提供)

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 「一本だーせよ♪」。二十二日に決勝を迎える全国高校野球選手権大会では、国学院久我山(西東京)の応援曲「一本」が脚光を浴びた。会員制交流サイト(SNS)への投稿が相次ぎ、甲子園で対戦相手の選手も魅了。「俺らの夢はお前に託した」と作詞したのは、けがに泣かされた元エースだった。(加藤健太)

 チャンスの時に繰り返し流れる「一本」は、不思議と得点を呼び込むことから「魔曲」と話題に。チームが敗れた二回戦の敦賀気比(福井)戦では、相手ナインの心もつかんだ。「一本」を口ずさむ様子がテレビで流れた杉田翔太郎選手は「思いっきり歌っていた。宿舎に戻ってスマホで歌詞を調べた」。4番の木下元秀選手は「球場を支配する一体感は恐ろしかった」と振り返った。

 曲が誕生したのは二〇一六年春。新二年生だった東(ひがし)祥太郎さん(19)は「応援に力がない」と感じていた。ライバル校の東海大菅生にはオリジナルの応援曲「SUGAO MIX」があり、スタンドの盛り上がりでいつも圧倒されていた。

 そこでオリジナル曲づくりを決意した。曲選びで参考にしたのは野球アニメ「タッチ」。応援の定番曲になっていた主題歌を避け、挿入歌「星のシルエット」を速めに口ずさんでみると、「勢いがつきそうだ」と気に入った。

 歌詞は風呂で歌いながら考えた。ベンチから外れた無念を「俺らの夢はお前に託した」のフレーズに込めた。その後、東さんの依頼を受けた吹奏楽部コーチの大坂結城さん(47)がアレンジして曲が完成した。

 東さんは二年の秋、背番号1を勝ち取った。だが、ひじを痛めてしまい、一昨年の「最後の夏」は応援団長に回った。地方大会で敗れ、曲が広く知られることはなかった。

 この夏、後輩たちが二十八年ぶりに甲子園出場を果たし、「一本」は初めて聖地のアルプススタンドで響いた。試合中や試合後にSNSへの投稿が相次ぎ、「今大会で一番記憶に残る曲」「心を揺さぶられた」と注目された。現在、学習院大学で野球を続ける東さんは「ここまで話題になるとは。彼らがこの曲を甲子園に連れてきてくれたおかげ」と後輩たちへの感謝を口にした。

     ◇

 「一本」は、ユーチューブの「東京新聞チャンネル」で視聴できます。

 

国学院久我山アルプス席の吹奏楽部=甲子園球場で

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