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【東京】

都内光化学オキシダント 国の基準、達成できず

 都は、二〇一八年度の大気汚染状況を公表した。光化学スモッグを引き起こす光化学オキシダントは、都内約四十カ所の測定地点で、国の環境基準を一つも達成できなかった。全地点の未達成は二十九年連続。近年、健康被害は出ていないものの、国外から多数の訪日客を迎える来夏の東京五輪・パラリンピックを前に、対策の行きづまり感を示す形になった。 (原昌志)

 光化学オキシダントは、印刷や金属洗浄などに使われる揮発性有機化合物(VOC)や、自動車・ボイラーなどから排出される窒素酸化物(NOx)が原因でつくられる。濃度が高くなると目やのどの痛みが生じる。強い日差しで気温が高く、風が弱い気候で高濃度になりやすい。

 環境基準は、一時間の測定値が0・06ppm以下だが、都内は一九九〇年以降、各測定地点すべてで一回も達成したことがない。都環境局によると、全体の高濃度(光化学スモッグ注意報発令レベルの0・12ppm以上)の延べ時間数は、二〇〇〇年代前半に年平均千時間近かった。それに比べて一五年度以降は同三百時間程度に下がっているが、最近の減り方は緩やかになっている。都は「下げ止まりの兆しがみられる」と分析している。

 また光化学スモッグ注意報発令は過去五年でみると、一四年度で九日、一五年度で十四日、一六年度で五日、一七年度で六日、一八年度で九日。光化学スモッグ症状で医療機関を受診した人は、一三年度に二人いた以降は出ていない。だが一時間測定値の最高は一三〜一八年度で0・208〜0・155と大幅な減少には至っていない。一九年度も八月二十三日現在で、注意報は六日発令されている。

 都はVOCやNOx削減に水溶性物質への転換や、環境性能の高い自動車への切り替えなどを促している。工場や人口の集積が激しい首都圏で、抜本解決の壁は高いが、都環境局の担当者は「国や近隣自治体と連携して削減に取り組んでいきたい」としている。

 

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