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【東京】

浅香光代さん、美剣士に殺陣伝授 時代劇復活を目指す台東の養成所で

真剣な表情で、マリアさん(左端)らに殺陣の技術を伝授する浅香光代さん(中央)と、滝洸一郎さん(右端)=台東区で

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 演じられる場が減っている時代劇の復活を目指し、台東区に七年前に誕生した俳優養成所「日本時代劇研究所」(寿一)が十二〜十四日、旗揚げ公演を雷5656(ゴロゴロ)会館(浅草三)で開く。演目は三本立てで、「美剣士と魔界長屋」ではロシア出身の女優が主演し、ベテラン剣劇女優の浅香光代さん(91)=台東区在住=が監修。浅香さんは、体に染み付いた殺陣の技術を熱心に伝授している。 (井上幸一)

 研究所は、立ち回りにリアリズムを導入し、島田正吾さんや緒形拳さんらが所属した劇団「新国劇」(一九八七年に解散)の元役者、滝洸一郎さん(68)らが二〇一二年に設立。現在、プロ、アマ問わず約二十人の塾生が、殺陣、演技術などを学んでいる。

 基本は養成の場だが、塾生が成長し、「舞台公演ができる」と所長の滝さんは判断。宮本武蔵や沖田総司、森蘭丸ら、魔界に住む歴史上の人物が、美剣士に剣の手ほどきをする物語「美剣士〜」(滝さん作・演出)の主人公にはロシア人のマリア・グロワさんを抜てきした。「浅香さんの力を借り、まずは女剣劇の復興を」と滝さん。新国劇出身のベテラン南條瑞江さん(83)も出演し、若手をリードする。

 ロシア南西部の都市ボロネジ出身のマリアさんは、日本の大学院で人工知能(AI)を専攻していた。三年近く研究所に通い、現在は役者活動に専念している。「時代劇の登場人物は志を持っていて、強くて、冷静で、あこがれる。演じられる場が失われていくのは悲しく残念。見る人には、その魅力を思い出してほしい。演じる若侍になりきりたい」と、しっかりした日本語で意気込みを語る。

 稽古を付ける浅香さんは「中途半端ではなく、時代劇のイロハのイからやっているので素直に吸収してくれる。仕込みがいがある」と塾生に期待。「力をいれすぎ」などと、大きな声でアドバイスを送っていた。

 他の二演目は、新国劇を創設した沢田正二郎が初演した「コリオレーナス」(シェークスピア作、坪内逍遥訳)、新国劇中の新国劇とされ、殺陣の魅力たっぷりの「殺陣 田村」。

 昼の部は正午、夕刻の部は午後四時開演(十二日は夕刻のみ)。当日五千円、前売り四千五百円。問い合わせ、申し込みは、日本時代劇研究所=電03(3847)5801=へ。

 

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