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【東京】

台風19号 大田区浸水被害 丸子川・用水氾濫 想定甘く

記者会見する松原忠義区長=大田区役所で(区提供)

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 台風19号の影響で、丸子川が氾濫した大田区は十八日、「多摩川と丸子川、丸子川につながる用水の水位が全て上がり、丸子川と用水が氾濫することを想定していなかった」と明らかにした。今回は、多摩川からの逆流防止のために用水の水門を閉じた。その後、ポンプで用水から多摩川へ排水していたが、大雨で中断に追い込まれた。そのことが氾濫につながるという想定がなく、広報体制も整っていなかった。 (市川千晴)

 浸水被害が集中した田園調布の被害は十七日現在、三百五十四件。床上が二百五十二件、床下が百二件。家屋が浸水した住民の一人は「用水があふれて自宅が浸水するとは思わなかった。きちんと知らせてくれたら、被害はここまで深刻にならなかった」と憤る。情報があれば、二階に家財道具を上げたり、土のうの準備をできたという。

 こうした区民の声に対し区は「避難は呼び掛けたが、水門の情報は伝えなかった。緊迫して対応していたため、広報まで考えが及ばなかった。今後は水門閉鎖の情報を周知する必要性を感じている」と反省する。二〇一七年にも用水の水門を閉鎖したが、そのときは用水から多摩川へポンプで排水し、事なきを得た。

 区が作成するハザードマップでは、最悪の場合、区の約七割が浸水する可能性があるが、区が主体となった水害の防災訓練はこれまで行われなかった。十八日の定例記者会見で、松原忠義区長は「これまでの防災訓練は、ほぼ地震に対するもの。水害のハザードマップを作ったが周知に足らないところがあった」と話した。

 台風19号が上陸した十二日、区は約八万二千世帯、約十五万人に避難指示を出し、五十三カ所の避難所を開設した。避難は約一万人にとどまったが、避難所によっては「満員で入れなかった」という苦情が住民から寄せられていた。

 

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