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【東京】

書評から解く「いまどき学生」 恋愛や平和 千代田図書館でパネル展

学生11人の書評が並ぶ展示会場=千代田区で

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 大学生が自分で読んだ本について書いた書評をパネル展示する「いまどきの大学生 解体新書」が、千代田図書館(千代田区九段南一)で開かれている。書評を通じ、若者が恋愛や社会問題、平和、ゲームなどをどう捉えているか垣間見せてくれる好企画になっている。

 「恋愛が人生において優先度の高いものではなくなってきた、という感覚が私の中にもたしかにある」と記したのは明治大三年、藤井太雅さん。人工授精での妊娠が一般化した仮想の世界を描く、芥川賞作家の村田沙耶香さんの「消滅世界」を取り上げた。

 辺見庸さんの「もの食う人びと」を紹介した上智大大学院博士課程の渡辺翼さんは「(旅で私は)上澄み液をすくい取り、満悦していた。辺見は違う。彼は食を切り口に、濁液の中に浸り込む。そして、人びとの小さな語りを紡ぎあげ、人と社会を鮮やかに描く」と内省を込めて評する。

 書評はいずれも千代田区にキャンパスのある八大学の学生により、一本当たり千二百字前後。B1判のパネルに、自己紹介と顔写真とともに載せた。取り上げられた作品や関連書籍約百五十冊も並んでいる。

 二〇一七年四月に学生を筆者に連載「書評キャンパス」を始めた書評専門紙「週刊読書人」と、同図書館のコラボで実現した。掲載済みの書評もあれば、企画展で初公開のものもある。週刊読書人の角南(すなみ)範子さんは「高校の時に出合った本を読み直した感想が含まれるなど、筆者の個人史も分かっておもしろい」。同図書館の坂巻睦(むつみ)さんは「地元の大学と、地場産業としての出版業をつなげた企画。若い世代の考えを知るきっかけになれば」と話した。

 入場無料。十月二十七日は休館。問い合わせは同図書館=電03(5211)4289=へ。 (梅野光春)

 

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