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【東京】

悪化する日韓関係「こういう時こそ文化交流を」 三河島朝鮮マーケットで店主 在日2世・高明栄さん

三河島朝鮮マーケット内で、韓国食材や民芸品が並ぶ「丸萬商店」。商品を移動させる高さん=荒川区で

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 日韓関係が悪化する中、韓国食材店が集まり、六十年以上の歴史を持つ「三河島朝鮮マーケット」(荒川区西日暮里)の老舗「丸萬商店」四代目で、在日二世の高明栄(コウミョンヨン)さん(59)は「こういう時だからこそ、両国の文化交流を進めないといけない」と訴える。 (天田優里)

 住宅街の間を通る細長い路地。数十メートル先に、韓国食材店が立ち並ぶ三河島朝鮮マーケットがある。都内最古とされ、本場の味が楽しめると国内外の客から人気を集めている。

 丸萬商店は約百六十平方メートル。のりやコチュジャン、酒類などが棚に陳列され、ハングルで記載されたラベルが目立つ。自家製のキムチや豚足を作る工場も併設、夕方には晩飯用のキムチを買い求める客の列ができる。高さんは「三十六種、計約二百キロのキムチを販売している。味付けは秘伝で、教えられない」と笑う。

 マーケットができたのは、高さんの母で済州島出身の申玉順(シンギョクジュン)さん=享年(96)=が大阪から三河島に移り住んだ一九五一年ごろ。バラックの店先にみかん箱を置き、仕入れてきたトウガラシや乾物を並べて売ったのが始まりだ。三河島には在日コリアンが多かったが、当時東京で韓国食材が手に入りにくく、需要が多かった。次第に居酒屋や呉服店などが増えていき、一時は十軒以上がひしめきあった。現在、客は在日コリアンと日本人でほぼ同数だが、営業している店は、五軒ほどにまで減ったという。

 開業からまもなく七十年を迎える今、元徴用工問題などで、日韓関係は最悪レベルとなっている。高さんもヘイトスピーチや韓国人らへの差別発言を耳にするたびに心を痛めている。高さんは「私も日本人の友人はたくさんいる。政府の関係が悪くなっても、民間の私たちには関係ない」と強調した上で、「相手を知らないから偏見や誤解が生まれる。お互い交流を進めて、分かり合いたい」と話している。

 

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