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【東京】

18世紀 ソウルの日常は 江戸東京博物館で企画展

朝鮮の正月の縁起物などが展示されたコーナー=墨田区で

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 墨田区の江戸東京博物館(横網一)で、企画展「18世紀ソウルの日常−ユマンジュ日記の世界」(都、ソウル歴史博物館など主催)が開かれている。無名の朝鮮人青年の日記から、その内面的世界、十八世紀の朝鮮の日常に迫る「かつてないテーマへの挑戦」(担当の市川寛明学芸員)という。十二月一日まで。 (井上幸一)

 李氏朝鮮王朝時代、名家の官僚の息子として、ユマンジュ(兪晩柱)は首都・漢陽(現在のソウル)で一七五五年に生まれた。地主として安定した経済基盤があり、官僚になるための科挙試験を何度も受験している。二十一歳から三十四歳(いずれも数え年)で死去するまでの約十三年間、日記を書き続けた。悩みや心の叫び、葛藤までも記した克明な記録は貴重で、韓国では一部の研究者には知られていたという。

 企画展は、二〇一六年にソウル歴史博物館で開催された展覧会の内容が基本。日記のうち一七八四年の一年間に焦点を当て、記述に関連するような絵画や地図、書物、書類など、百点以上の歴史的資料を並べた。

 新居に引っ越そうと奮闘したり、科挙試験に失敗して打ちひしがれたり−。日記からは、繊細で真面目な青年の人柄が浮かび上がる。日本語訳も一部あり、「たいていの人が忙しくて、そこから抜け出せないのは、ただ『利益』という二文字のためである」(一七八六年)など、現代に通じるような言葉も。

 「展示を通じて、人間の変わらない、普遍的な部分は、どんな社会にもあることを感じてもらえれば」と市川学芸員。「日常生活を展示するのは、なかなか難しい」とも語り、「お隣の国の十八世紀を知ってほしい」と来場を呼びかけた。

 十一月十九日には、大ホールで企画展の関連講座を開催。「『18世紀ソウルの日常』展のみどころ」(午後一時半、市川学芸員)、「風水都市漢城と現代のソウル」(同二時半、吉田光男・東京大名誉教授)と連続し、受講料は二回セットで千五百円。十一月一日午後四時から、市川学芸員による展示解説(約三十分)がある。参加料無料。

 午前九時半〜午後五時半(土曜は午後七時半まで)。月曜休館(祝日の場合は翌火曜)。常設展の入場料(一般六百円など)で観覧できる。問い合わせは、同館=電03(3626)9974=へ。 

 

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