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【東京】

役者絵で感じる時代の息吹 きょうから足立区立郷土博物館で開催

三代歌川豊国「東海道五拾三次之内赤坂六代目松本幸四郎の沢井又五郎」

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 江戸時代から続く骨接ぎの名医として知られる名倉家(足立区千住五)に伝来した浮世絵のうち、役者絵にスポットを当てた企画展「初顔見世の役者絵」が二十九日から、足立区立郷土博物館(大谷田五)で開かれる。十二月八日まで。 (大沢令)

 名倉家には、明治期の歌舞伎界で一時代を築き、「劇聖(げきせい)」と呼ばれる九代目市川団十郎など数多くの歌舞伎役者が患者として治療に訪れていた。

 文人を輩出した名倉家と歌舞伎役者は書画や俳諧仲間としての交流もあり、役者自身の筆による俳諧短冊や色紙、襲名あいさつなどでひいきの客に配る特注の「摺物(すりもの)」なども名倉家に残っていた。

 今回は、名倉家から寄贈された約百点の浮世絵から役者との親交の深さがうかがえる役者絵など約七十点が展示される。幕末明治の浮世絵として最高レベルの保存状態で、退色がない鮮やかな色彩が目をひく。

 展示は「九代目団十郎と団菊左時代」など二章で構成。摺物では九代目市川団十郎の「歌舞伎十八番道具尽」が公開される。九代目自ら原図を描いた希少な作品で、名倉家と九代目の関係の深さを物語っている。

 役者が亡くなった際にその死を知らせるために作られた死絵では三代歌川豊国「五代目市川海老蔵(七代目市川団十郎)」などが展示される。

 小林優学芸員は「書画文芸の楽しみを歌舞伎役者と共有する中で、浮世絵が名倉家に蓄積された背景がうかがえる。その希少性や鮮やかさとともに、歌舞伎役者たちと身近に文化を楽しんでいた時代の空気も感じてほしい」としている。

 休館日は月曜(月曜が祝日・休日の場合はその翌平日)。開館時間は午前九時〜午後五時(入館は午後四時半まで)。入館料は二百円。七十歳以上と中学生以下は無料。問い合わせは、同博物館=電03(3620)9393=へ。

九代目市川団十郎の摺物「歌舞伎十八番道具尽」(いずれも足立区立郷土博物館提供)

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