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【東京】

路上禁煙条例の千代田区導入 喫煙トレーラー、置き場難航

千代田区が設置した2台目の喫煙トレーラー=千代田区で

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 千代田区のタイヤ付き移動式喫煙所「喫煙トレーラー」一台の置き場所が決まらない。もともと区内には適地が少ない上、「迷惑施設」というイメージがあり、周囲の同意を得られない。区は二〇一九年度、二台を導入する予算を組み、一台は難航の末に置き場所が決まったが、一台はまだ。施策を見直すべきだという声も上がる。 (梅野光春)

 区は〇二年、全国初の過料二千円の罰則付きの路上喫煙禁止条例を制定した。その一方、喫煙者との共生をうたい、喫煙所の整備に力を入れることにした。

 喫煙トレーラーはその一つで、一八年度に一台目を導入した。縦二・四メートル、横六メートルの広さで、エアコン付き。一度に十人ほどが利用できる。大型空気清浄器によって外部に煙は出ない。車でけん引すれば、簡単に移動できる。購入費は一台約一千万円。

 一台目から置き場所探しは難航した。昨秋、区立愛全公園(神田神保町二)に置こうとしたら周辺の住民が反対した。愛全公園には昨年四月まで、外部と遮断されていない喫煙スペースがあり、平日の昼どき、五十人以上が喫煙していた。「辺りが白く煙って見えた」(区の担当者)といい、住民の喫煙所に対するイメージは悪い。

 近くの男性(76)は「喫煙所はオフィスにそれぞれ設けるべきだ。定員十人程度なら、トレーラーに入りきれない人が外で吸いそう」と反対した理由を説明した。結局、区の外郭団体などが入る施設の敷地に変更し、今年二月にようやく置くことができた。五年間はこの場所に置く予定。

 置き場所をなかなか確保できない状況にもかかわらず、区は一九年度、新たに二台を導入することを決め、約二千万円の予算を組んだ。十月初め、区役所近くの民有地を借りて一台を置いたが、もう一台は「有料駐車場を借りようとしたが断られた」(区の担当者)。迷惑施設と思われ、話が進まないという。

 たばこ対策に詳しい産業医科大の大和浩教授は「同じ場所に五年間置くのに、移動用の車輪付きで一台に一千万円もかけている。この予算があるなら、豊島区が子どもの受動喫煙対策で実施しているように、禁煙外来の受診費用を補助すべきだ」と施策の見直しを勧めている。

 

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