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【東京】

「夜回り」で路上生活者支援 立川のNPO活動100回

ホームレスの男性と話す吉田さん(左)=立川市で

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 生活困窮者の支援をするNPO法人「さんきゅうハウス」(立川市)が、路上生活者(ホームレス)を支援するために、八年前に始めた立川駅周辺の夜の見回り活動「夜回り」が百回を迎えた。理事の吉田和雄さん(64)は「困っている人がいなくなるまで続けたい」と決意を新たにする。 (竹谷直子)

 「こんばんは。体調はどうですか」

 百回目となった十月二十五日の夜回り。長年の活動で、何時ごろ、どこに戻るか把握しているホームレスも多く、吉田さんらが見つけては声を掛ける。駅コンコースの階段下で路上生活を続ける男性(78)は「普段は人と話すことは全然ない。ありがたい」と話した。

 夜回りを始めたのは二〇一一年。ホームレスは日中、デパートなどで過ごすことから、就寝のため、寝床へ戻ってくる時間に回ることにした。午後十時ごろ集合。月一回のペースで、おにぎりや飲み物と一緒に「困ったときはここに」と、さんきゅうハウスのパンフレットや名刺を配る。日付が変わるまで、段ボールが置いてある場所で待つことも。信頼されるまで言葉を交わし、生活保護申請や、住居の確保につなげようと取り組んできた。

 今では、さんきゅうハウスの支援で生活を立て直した人がスタッフとして夜回りに参加している。生活保護を受給しながら活動する男性(48)は「一度、さんきゅうハウスに来てもらえれば何とかなる」と訴える。

 さんきゅうハウス設立から参加している吉田さん。自身はリーマン・ショックがあった二〇〇八年ごろから、非正規労働者として働いた。食べられない人が目につき、「明日はわが身という気持ちだった」。

 その後、介護や清掃などの仕事に就いたが、無責任な雇用がまかり通る社会に疑問を感じた。足元で何かできないかと考えていたところ、さんきゅうハウス設立に誘われた。「食べられない人がどんどん来た。生身の人間と関わって解決していくことにやりがいを感じた」と話す。

 最近、立川駅周辺では、ホームレスの人数は減ったが、元派遣労働者の三十〜四十代の男性や女性が目立つという。「派遣の契約が切れて住居を奪われるケースは、流動的で見えにくい。何とか頑張ろうとする人がほとんどで、精神を患っている人も多い。困っている人がいるのに素通りできない」と、吉田さんは活動を続ける。

 

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