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【東京】

61億円かけ全戸訪問 水道診断は「無駄な事業」

東京水道あんしん診断を紹介する都水道局の冊子

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 都水道局が2015〜19年度の5年をかけ、水道を利用する全750万世帯を訪問してアンケートなどを行う「東京水道あんしん診断」に、都議会で「無駄な事業」との指摘が上がっている。都側は意義があると説明するが、費用は約61億円。その効果は−。 (石原真樹)

 あんしん診断の業務は、都管工事工業協同組合と三多摩管工事協同組合に委託している。入札ではなく随意契約。都はその理由を、「専門知識を有している事業者が多く加盟し、連絡体制がある」などと説明する。

 あんしん診断では、「普段どのように水道水を飲んでいるか」などと尋ねるアンケートをし、希望があれば水道水の残留塩素濃度を測定したり、目視で水道メーターの漏水の有無を調べたりする。費用は一五〜一八年度は計約四十七億円、一九年度は約十四億円。

 都は〇〇〜〇二年度にも全戸を訪問して水質と漏水調査、アンケートを行う「水道フレッシュ診断」事業を三十七億円かけて実施した。だが、こうした全戸訪問をする水道事業者は珍しい。都が三月に調べたところ、全国の二十政令市とも行っていなかった。

 横浜と大阪の両市は、利用者から要望があれば、水質や漏水調査をする。横浜市の担当者は「水道局で責任を持って水質検査を行っており、(全戸訪問の)必要性を感じていない」。水道水のおいしさについては横浜市は郵送、大阪市はネットで抽出アンケートを行う。

 都も普段、水道水の安全性について給水区域内の百三十一カ所で定期的に検査をしている。そうした検査の効果もあり、これまでのあんしん診断で、異常が見つかった件数はゼロだ。また、漏水は二百九十万件を調査して見つかったのは五千件で、発見率は0・002%。そもそも平日昼間は不在宅が多く、都民が在宅していて診断を実施した割合は25%にとどまる。

 十月の都議会公営企業会計決算特別委員会では、委員側から「都民の税金の適切な使い方とは言えない。全戸アンケートは非効率」と費用対効果を疑問視する声が出た。都側は「高品質の水道を実感してもらうことやお客さまニーズを反映させるなどが目的。安全な水道水を供給する水道事業者の責務として意義がある」と主張している。

 

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