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【東京】

台風19号1カ月 地区の行動計画役立った 足立・中川地区

避難所を運営した関係者による会議=10月30日、足立区で

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 台風19号の上陸から12日で1カ月。四方を川に囲まれた足立区も、小中学校など避難所135カ所に3万3000人以上が避難した。避難所で何が起き、いかに運営されていたのかはあまり知られていない。中川氾濫に備えた行動計画がある中川地区で、避難所の一つになった長門小学校(中川1)の当時の様子を、証言や記録から振り返った。 (大沢令)

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 長門小では十月十一日午後四時から避難所を開設。十三日午前十一時半に閉鎖した。十二日夜には幼児十五人、高齢者五十七人を含め三百八十三人が避難した。

 地区の対策会議が開かれたのは台風が上陸する二日前の十日午前十時。同小を避難所とする運営会議メンバーが集まった。中川氾濫に備えた地区の行動計画「コミュニティ・タイムライン」づくりにも協力したNPO法人「環境防災総合政策研究機構(CeMI(セミ))」は「経験したことのない暴風や大雨、高潮、荒川・中川の氾濫が同時多発的に起きる可能性がある」と最大限の警戒を呼びかけた。

 地元の長門南部町会などはCeMIが作成した注意喚起の文書を各戸に配布。同小でも注意を呼び掛ける手紙を児童に配った。翌十一日、同小では一階の重要書類などを二階に移動。三階の教室は町会ごとに部屋割りした。

 十二日に台風が上陸し午後三時に区内全域に避難勧告が発令されると三階の教室は避難者で満杯に。特別教室や二階の教室も開放。ペット連れは別室の会議室などで対応、体が不自由で支援が必要な高齢者などはカーペットがある部屋に案内した。夜になって綾瀬川流域の住民に避難指示が発令され、避難者は廊下にまであふれた。

 一階の避難物資の倉庫が水没する恐れがあるとして校内放送で避難者に協力を呼び掛け、約三十人で物資を二階に運んだ。子どもたちがストレスを抱えないように、校長の発案でDVDでアニメを鑑賞できる教室も設けた。

 結局、水害は起きなかったが、避難所を運営した関係者の会議では「水害時の避難所開設や運営に関する区のマニュアルがなかった」「水害を想定すると、一階に備蓄倉庫があるのは問題」など課題も指摘された。

 長門南部町会の今坂昭男会長(79)は「タイムラインが役に立った。課題を整理して一つ一つ解決していきたい」と話した。同小の会川大和校長(54)は「早い段階の対策会議で危機感を共有できた。水害の恐れもあった台風の教訓を生かして次に備えたい」と強調した。

<コミュニティ・タイムライン> 風水害の予報や河川水位情報などをもとに避難のタイミングや取るべき行動を地区で話し合い、いつ、だれが、何をするかを定めた行動計画。東京東部の海抜「ゼロメートル地帯」に位置する中川地区は2015年の関東・東北豪雨で中川が氾濫危険水位に達して危機感を高め昨年、中川氾濫に備えたコミュニティ・タイムラインを策定した。

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