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【東京】

伝統受け継ぐ 大嘗祭に都内の特産品

 14、15日に行われる大嘗祭(だいじょうさい)の儀式で供える各地の特産品「庭積机代物(にわづみのつくえしろもの)」。都内からは東村山市の粟(アワ)、日野市の東光寺大根、府中市の米(コメ)、練馬区のキャベツ、青梅市のシイタケ、武蔵野市のウド、三宅村と神津島村のテングサが宮内庁に届けられた。 (市川千晴)

◆東村山の粟奉納

大嘗祭に献上された粟を作った大木昌一さん(右)、和子さん夫婦=東村山市で

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 一粒の種から一万粒が実り、「五穀豊穣(ほうじょう)の象徴」とも言われる粟。栽培した東村山市の大木昌一さん(66)は「名誉な役目を頂いた。JAとのチームワークのおかげで無事に収穫、奉納できた」と笑顔を見せた。ネコジャラシを大きくしたような黄金色の穂に、ぎっしりと粟が実っていた。

 JA東京中央会によると都内からは毎年、粟と米を新嘗(にいなめ)祭用に宮内庁に届けている。粟の生産農家は途絶えたが、古里(こり)村(現在の奥多摩町)で栽培されていた「古里一号」を、世田谷区や清瀬市など十四地域で持ち回りで栽培している。

 大木さんは親子三代で花きを育てる農家だが、粟の栽培は初めてだった。六月中旬、約四百平方メートルの畑とビニールハウスに種をまいた。台風19号の影響で、粟に付けた支柱がほぼ全部倒れるなど苦難もあったが、十月一日、約七十五キロを収穫し、同月末に宮内庁に七百五十グラムを届けた。

 大嘗祭には二十五都府県から粟が宮内庁に届けられた。宮中祭祀(さいし)を研究するジャーナリストの斎藤吉久さんは「日本にはさまざまな民と暮らしと祈りがある。国民を多様なまま統合することを祈ったのが大嘗祭ではないか」と話した。

◆「東光寺大根」供える

東光寺大根を収穫した福島さん親子=日野市で

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 収穫期を迎えている日野市の伝統野菜「東光寺大根」。今季は、農家の福島幹男さん(60)が育てた大根が大嘗祭(だいじょうさい)に供える特産品に選ばれ、12日に宮内庁に納めた。福島さんは「名誉なこと」と伝統の継承へ思いを新たにしている。

 練馬大根より一回り小さく、漬物向き。同市東光寺地区で明治期から作られてきたが、現在、栽培を受け継ぐ農家は数戸だけだ。福島さんは8〜9月、16アールの畑に種をまいた。長さ約60センチに成長した10月下旬から、長男和幹(かずき)さん(27)らと家族総出で収穫作業を続けている。

 大嘗祭のお供えは「納めたくてできることでない」と喜び「東光寺大根がもっと知られるきっかけになるといい」と期待する。

 並行して漬物も作っている。洗って干し、ぬかと塩で漬ける。今季は雨が多く、「例年より長めに干さないと」と話す。11月末ごろ、市内の土産店などに並ぶ予定だ。 (松村裕子)

 

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