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【東京】

<ひと ゆめ みらい>早朝ランで地域と交流 森本真生さん(22)

早朝ランニングについて話す森本真生さん

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 この夏、誰でも参加できる二十日間の早朝ランニングを企画した。公園で行われるラジオ体操のように、「一緒に走りませんか」と地域に呼びかけると、毎回、商店主や夏休み中の小学生ら約三十人が集まった。

 通っている東京理科大葛飾キャンパスはJR金町駅近くにあり、門やフェンスがなく敷地が地域に開放されている。散歩をしたり食堂を訪れたりと幅広い世代が利用しているが、「理科大生と地域住民との間に見えない壁がある」と違和感を抱いていた。

 「キャンパスという同じ空間にいるのに、擦れ違ってもあいさつを交わさないのはどうなのか」。居心地の悪さが抑えきれなくなり、就活が一段落した六月ごろから早朝ランの構想を練った。「一緒に汗を流せば互いの距離を縮められる。地域住民との交流を増やして金町を盛り上げたい」と動きだした。

 商店街や小学校に告知ポスターを貼ってもらえるようお願いに回り、会員制交流サイト(SNS)も駆使して参加者を集めた。熱意は理科大生にも伝わり、同じ学部の古田淳大(あつひろ)さん(23)が趣味を生かしてPR動画をつくってくれた。

 地域を巻き込むことにこだわった。金町周辺の飲食店に飛び込みで話を持ち掛け、早朝ランへの協賛を依頼した。「店にメリットがない」「今忙しいから」と断られもしたが、粘り強く交渉して二店舗から協力を得ることに成功した。

 そうして、「ランニングフレンズ」と名付けた早朝ランを七月三十日にスタート。キャンパス周辺の一・一キロをコースに、午前六時半から思い思いのペースで走った。先導役は井畑侑志さん(23)ら陸上部の仲間が引き受けてくれた。

 「何が大変だったか思い出せないくらいがむしゃらだった」という二十日間を終えると、キャンパスや街で変化を感じ取った。理科大生と地域住民があいさつを交わす光景を見かけるようになり、地域の絆が少し深まったのを実感した。

 現在四年生で、来春からは菓子メーカーで働く。早朝ランに参加した人たちからは「来年も絶対やってほしい」と熱望されているが、後継者は見つかっていない。「続けていけば金町はもっと良くなっていくはず」。道筋をつけるために、卒業までにもうひと頑張りする。(加藤健太)

<ランニングフレンズ> 東京理科大4年生の森本真生さんが主催して7月30日〜8月30日に計20日間、開催。飲食店の協力で、スタンプを集めた参加者には焼き鳥やカレーナンのクーポンが配られた。スタンプ台紙づくりは地元の小学校が協力した。

 

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