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【東京】

北区の稲荷湯 危機遺産に選定 米国の非営利団体が視察

米国の危機遺産リストに選ばれた稲荷湯=北区で

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 北区の銭湯「稲荷湯」(滝野川六)が歴史的建築物などの保存に取り組む米国の非営利団体「ワールド・モニュメント財団」(WMF、本部・ニューヨーク)の二〇二〇年版「危機遺産」リストで選ばれ、財団関係者が十九日に視察した。(大沢令) 

 ダーリン・マクロード副理事長は稲荷湯のリスト選定について「文化遺産の保存活動につながり、地域社会の活性化に貢献し、銭湯保存事例のモデルとなることを望む」とする文書を関係者に伝達。「今後保存と活用の道をともに探っていきましょう」と述べた。

 稲荷湯は大正時代初期の創業。一九三〇(昭和五)年築で、浴場・主屋、従業員の住居だった長屋などで構成している。外観は入り母屋造りの玄関を構え、その上の破風が二段重なる特徴があり、戦前の銭湯の様子を今に伝えている。今年、国の登録有形文化財として答申を受けた。

 こうした建築文化的な価値のほか、孤立しがちな都市部の高齢者のふれあいの場として、銭湯が担う社会的価値なども評価された。

 稲荷湯五代目の土本公子さん(56)は「長屋を修繕して地域の役に立つ場所にできたら」と抱負を話した。

 銭湯の魅力を発信している有志グループ「せんとうとまち」が「危機遺産」リストに稲荷湯を申請した。共同主宰する栗生はるかさん(38)は「銭湯や銭湯文化が見直されるきっかけになれば」などと意欲をみせた。 

 

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