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【東京】

<東京人>手書きを味わう−偏愛文具 歴史に残る肉筆署名

1889年2月11日公布「大日本帝国憲法」

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 時の天皇陛下、内閣総理大臣をはじめとした閣僚、さらには江戸時代の文化人まで。国立公文書館に保管されている文書には、歴史に名を残す人々の直筆サインが記されています。

 代表例として挙げられるのが「大日本帝国憲法」と「日本国憲法」の御署名。「大日本帝国憲法」には、明治天皇の御署名「睦仁」にはじまり黒田清隆内閣の閣僚の署名が、「日本国憲法」には、昭和天皇の御署名「裕仁」にはじまり第一次吉田茂内閣の閣僚の署名が並び、共通して「天皇御璽(ぎょじ)」の押印がなされています。

 ここで「大日本帝国憲法」にある「枢密院議長伯爵伊藤博文」の署名に注目してみましょう。枢密院議長は閣僚ではないため、御署名原本への署名を行うことはありません。しかし、内閣総理大臣として黒田の前任であった伊藤が枢密院議長に転任した際、「朕(チン)卿ノ情願ヲ容レ重任ヲ解キ特ニ命シテ内閣ニ列セシム」との勅語を賜っていた経緯があるため、署名を連ねているのです。

 字を書くことを好まなかったと言われている外務大臣大隈重信の署名は震えているように見えます。また、憲法発布の当日に暴漢に襲われて死亡した文部大臣森有礼の署名は、公文書での絶筆と考えられているようです。

 明治以降の公文書そして内閣文庫の資料は、国立公文書館デジタルアーカイブを通じてどこからでも閲覧することができます。公文書の肉筆署名から、歴史上の人物たちの人となりを想像してみるのもおもしろいでしょう。 (久崎彩加)

 「都市を味わい、都市を批評し、都市を創る」をキャッチコピーに掲げる月刊誌「東京人」の編集部が、12月号の記事をもとに都内各地の情報をお届けします。問い合わせは、「東京人」編集部=電03(3237)1790(平日)=へ。

 

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