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【東京】

旧多摩聖蹟記念館 設計した関根要太郎 生誕130年 没後60年で企画展

広いテラスが特徴の旧多摩聖蹟記念館=いずれも多摩市で

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 多摩市文化財の建造物「旧多摩聖蹟(せいせき)記念館」(連光寺)を設計した建築家関根要太郎(一八八九〜一九五九年)の生誕百三十年、没後六十年を記念した企画展が館内で開かれている。記念館は都内で唯一残る関根の作品で、多摩地域に現存する近代建築としても注目されているため、初めてテーマを関根に絞って企画。生い立ちや手掛けた建造物、記念館とのかかわりを知ることができる。 (松村裕子)

 関根は埼玉県秩父市生まれ。都内の設計事務所に勤めて中国・奉天(ほうてん)の領事館を設計した後、現東京工業大で学び直した。卒業後に設計事務所の勤務と独立を繰り返し、三十カ所以上の不動貯金銀行(りそな銀行の前身の一つ)の支店や、埼玉県の小中学校の校舎など多くの設計を手掛けた。

 旧多摩聖蹟記念館は一九三〇(昭和五)年の完成。明治天皇が訪れたことがある場所で、山の上にあり、元宮内大臣田中光顕(みつあき)らが顕彰しようと寄付を募って建てた。鉄筋コンクリート平屋建て約四百平方メートル。広いテラスと楕円(だえん)形の外観が特徴で、丸みのあるモダンな洋風建築という関根の持ち味が顕著に表れている。

 企画展では、当初の構想図を初公開した。地上三階、地下一階で、噴水のあるエントランスや回廊を備えた壮大な設計だったと分かる。実際には資金不足から規模を縮小したが、それでも予算オーバーだったとみられ、設計を引き受けた関根の事務所は完成翌年、倒産したらしい。担当者は「関根にとっては、不本意な代表作になったのではないか」と話す。

 現存する不動貯金銀行七条支店(京都市)、かつて調布市にあった現京王電鉄の娯楽施設「京王閣」など関根の業績も写真で紹介。関根が育った伝統建築の旅籠(はたご)など、成長過程で影響を受けたとみられる建造物の写真も展示している。

 十二月二十二日まで。休館は月・水曜と十二月第二週以降の火曜。無料。問い合わせは記念館=電042(337)0900=へ。 

関根の生い立ちを紹介したパネル展示

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