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【東京】

<ひと ゆめ みらい>神田明神の新人巫女、初の正月 徳田英恵さん(23)=千代田区

神田明神で巫女を務める徳田英恵さん=千代田区の神田明神で

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 七五三のおめかしにはしゃぐ子どもたちの声が遠くなれば、足早に新年が近づいてくる。四月に巫女(みこ)として採用された徳田英恵さんにとって、神田明神で迎える初の正月。「商売繁盛に御利益がある恵比寿さまもお祭りしているので、三が日のほか、仕事始めの日もすごい人出だと聞いている」と緊張した面持ちだ。

 辞書には「神に仕える女性」などと説明される巫女の実務は、多岐にわたる。緋袴(ひばかま)と白衣に身を包み、お守りや絵馬などを参拝者に渡す。髪飾りや特別な装束を身に着けて神事で舞を奉納する。神前の結婚式では、三三九度とも呼ばれる「三献(さんこん)の儀」で新郎新婦にお酌。社務所で事務をすることもある。

 「舞は、主なもので四種類。夕方、居残りで練習することもある。二人とか四人の舞い手で、腕の角度や伸ばし方を合わせるのが難しい。結婚式は一生に一度のこと。お酌で万が一、こぼしたら大変。緊張する」

 カトリック系の女子大に通い、宗教学を学ぶうちに古事記に触れ、神道に興味を持った。「小さな石を神とする神社もある。いろんな神を祭るところに神道の魅力を感じた」と言う。

 一、二年生時は千葉県内の神社で非常勤の巫女を経験。就職活動は、初めは事務職を中心に幅広く力を入れたが、神田明神で正規職員の採用があると知る。「いろんな取り組みをしていて、可能性を感じる」と応募、二人の同期とともに採用された。

 参拝者が求める御朱印に添え書きするため書道を学んだり、「睦月(むつき)」「神無月(かんなづき)」など旧暦の月の呼び方を覚えたり。最近は外国人観光客も多いので、英語での説明も勉強中だ。

 「縁結びの大黒さまは、good for relationship、恵比寿さまは、good for business、などと説明するのだけど、まだ英語は苦手で…」と苦笑する。

 八月に始まった外国人向けの参拝ツアーでは、案内役の一人を務める。手の洗い方やおはらいなどを体験できるコースで「神田明神のいろんな取り組み」の一つだが、まだ参加者は少ない。これについては「始まったばかりで周知が行き届いていない。集客の難しさを感じる」と、新人の甘えを見せない。

 忙しい正月は一カ月後。「家族と過ごせないけど、気にせず頑張る」と力強く語った。 (梅野光春)

<神田明神> 730(天平2)年に現在の大手町に創建され、徳川幕府が江戸の鬼門に当たる現在地に移した。大黒さまと恵比寿さま、平安時代の武将・平将門をまつる。正職員は神職18人、巫女8人、事務職員2人。2019年の正月三が日には、計約30万人が初詣に訪れた。千代田区外神田2。

 

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