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【東京】

「綴方教室」の作家・豊田正子さんの3通 葛飾の郷土史家、神田で発見

豊田正子さんが書いたとみられる手紙を手にする石戸暉久さん=葛飾区で(いずれも区提供)

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 「綴方(つづりかた)教室」で知られる葛飾区ゆかりの作家、豊田正子さん(一九二二〜二〇一〇年)が晩年に書いたとみられる手紙が見つかった。発見した地元の郷土史家は「あまり知られていない人生後半の生活や人柄が分かる貴重な資料になる」と意義を語る。 (加藤健太)

 豊田さんは、葛飾区立本田小学校の時に書いた作文をまとめた「綴方教室」が戦前にベストセラーになった。手紙は豊田さんを研究する郷土史家の石戸暉久(てるひさ)さん(74)=同区東四つ木=が、神田の古書店で見つけて購入。全部で三通あり、いずれも作家仲間の立川昭二さんに宛てている。

豊田正子さん

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 一通目は、立川さんの作品「昭和の跫音(あしおと)」が贈られてきたことへのお礼が書かれ、二通目は、作品を読み終わり、「何もかも興味深く本当に面白かった」と感想がつづられている。

 三通目は、立川さんから見舞いの品が贈られたことへの礼状。手紙が書かれたとみられる一九九二年、豊田さんは脳梗塞で入院し、リハビリに励んでいる。「これから先、生きるのも死ぬのも辛いことだと思って心細くなって涙をしている」と胸の内も明かしている。

 筆跡や「正子」と印字された原稿用紙が使われていることから、石戸さんは豊田さんが書いたとみている。「手紙からは年を重ねても変わらない豊田さんの優しさや素直さが感じられる。地域の宝として展示や公開を考えたい」と語った。

◆立石であすフォーラム

 豊田さんが住んだ葛飾区四つ木地区の住民らでつくる「豊田正子を愛する会」は、七日午後一時半から区立立石図書館(立石一)で記念フォーラムを開く。命日(九日)に合わせて毎年開いており、豊田さんらの功績を伝える講演会がある。入場無料。上野重光代表(76)は「立派な足跡を残した地元の先輩を語り継いでいきたい」と来場を呼び掛けている。

 

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