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【東京】

<東京人>寅さんと東京 下町低地とマドンナの憂鬱

錦糸堀。けんか別れしたリリーのアパートを探しにきた寅。一人暮らしの部屋を訪ね当てたが、すでにリリーの姿はそこになかった。第11作『男はつらいよ 寅次郎忘れな草』(1973年)より(提供・松竹株式会社)

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 「あら、寅ちゃん、お帰り」。旅から帰った寅さんが、帝釈天の参道を歩き実家の団子屋に向かうと、さくらやおいちゃん、おばちゃんが迎えてくれます。『男はつらいよ』シリーズにおいて、ある種の桃源郷として描かれる葛飾柴又。江戸川沿いを歩く寅さんの背景にはしばしば、気持ちよく晴れた空が広がっています。

 一方、柴又以外の東京、とりわけ、マドンナの住む場所や働く場所は、曇天の鈍い光が差す灰色のまちとして描かれてきました。たとえば、第十一作『寅次郎忘れな草』で、「売れないドサ回りの歌手」のリリー(浅丘ルリ子)が歌うキャバレーのある「金町」。さらには、リリーが母親に無心される飲み屋街「五反田」、リリーが退去したわびしい一人暮らしのアパートのある「錦糸町」。第二十五作『寅次郎ハイビスカスの花』で、人通りの少ない昼下がりのキャバレー街として登場する「小岩」。

 いずれも、マドンナの憂いを帯びた表情にふさわしく、曇天のまちが映し出されます。悩みを抱えながらも懸命に生きるマドンナたち。彼女たちが日常を送る舞台にはしばしば、東京の東側、いわゆる「東京下町低地」が選ばれています。

「東京人」一月号では、『男はつらいよ』シリーズにおいて、「東京」がどのように描かれたかに着目。新作『男はつらいよ お帰り 寅さん』製作にあたり、旧作映像部分を担当した松竹・演出部の濱田雄一郎が、厳選したカットとともに、東京のロケ地について解説します。 (「東京人」編集部・山上さくら)

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 「都市を味わい、都市を批評し、都市を創る」をキャッチコピーに掲げる月刊誌「東京人」の編集部が、1月号の記事をもとに都内各地の情報をお届けします。問い合わせは、「東京人」編集部=電03(3237)1790(平日)=へ。

 

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