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【東京】

「四つ木の大人」功績に光 葛飾でフォーラム 豊田正子さん命日前に

細江英公さんが三島由紀夫を撮影した作品をバックに、細江さんについて語る佐藤光洋さん(奥)=葛飾区で

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 戦前に「綴方(つづりかた)教室」がベストセラーとなった葛飾区ゆかりの作家、豊田正子さん(一九二二〜二〇一〇年)を記念するフォーラムが九日の命日を前に七日、区立立石図書館(立石一)で開かれた。テーマは「四つ木育ちの大人(たいじん)四人」。豊田さんら四つ木地区に縁のある四人を取り上げ、それぞれに詳しい研究者らが講演した。 (井上幸一)

 四人は、豊田さんのほか写真家の細江英公(えいこう)さん(86)、精神科医の西川喜作(きさく)さん(一九三〇〜八一年)、哲学者の池田芳一(よしかず)さん(一九四〇〜二〇〇八年)。

 フォーラムは、地域住民らによる「豊田正子を愛する会」(上野重光代表)が開き、約三十人が参加した。

 豊田さんは少女時代を四つ木で過ごし、本田(ほんでん)小学校(立石一)時代の作文が「綴方教室」として出版された。この日は、豊田さんを研究する添田直人さん(61)が、著書にサインを求められた豊田さんが「生きている言葉で 自分の言葉で」と書いたエピソードを紹介、「正直に書く姿勢は、生涯変わらなかった」と述べた。

 三島由紀夫を被写体にした「薔薇(ばら)刑」をはじめ芸術的な写真で知られる細江さん(文化功労者)については、元区美術会副会長の佐藤光洋(みつよう)さん(82)が、「郷愁でいっぱい。今からでも葛飾のお役に立ちたい」との手紙をもらった縁で、二〇一四年に区内で作品展を開いたと説明。「葛飾のすごい文化が埋没している。民間で盛り上げなければ」と細江さんを例に訴えた。 

 いずれも四つ木生まれの西川さん、池田さんに関しては上野代表(76)が語った。「死から生を見るか、生から死を見るか−。二人は対照的だが、行き着く先は一緒」と前置きし、四十八歳でがんを宣告され、死去までの二年半、精神の格闘を記録した西川さん、老後に持てる力を社会に役立てる「老いの美学」を説いた池田さんの足跡を紹介した。

 

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