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【東京】

好評「認知症カフェ」 足立・梅田地区のモスバーガー

モスバーガーカリブ梅島店で開かれた認知症カフェ=足立区で

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 認知症の人やその家族が集い交流する「認知症カフェ」が十一月から毎月一回、足立区梅田六の「モスバーガーカリブ梅島店」で開かれている。街中の飲食店で開催される認知症カフェは珍しい。認知症の人や介護する家族からは「身近で気軽に立ち寄りやすい」と好評だ。 (大沢令)

 十二日朝、店の入り口に「認知症カフェ」の案内板が設けられた。店は貸し切りではなく、通常営業なので一般客の姿も。特別なイベントが開かれているという雰囲気はない。

 参加したのは認知症の人や家族を含む約二十人。民生委員や認知症サポーター養成講座を受けたボランティアが寄り添い、主催する「地域包括支援センター関原」の職員らが見守った。

 隣り合った人同士で家族の介護体験を話したり、相談したりしてなごやかに交流した。認知症専門の看護師が予防に役立つ知識を話す「ミニ講座」もあった。

 近くに住む杉本武司さん(77)は自宅に閉じこもりがちの妻(75)が心配で、参加は二回目。体験した家族から認知症の初期症状を教えてもらおうと訪れた。「気軽に話せる雰囲気がいい。ここで知り合った人もいるし、今度は妻も誘ってみたい」と歓迎していた。

 妻が認知症という八十代の夫婦も参加した。男性は「自分が元気なうちは自宅で世話をしようと思っている。妻は私の姿があると安心なのでまた一緒に来たい」と笑顔を見せた。

 この認知症カフェは、高齢者を地域で支える地域包括ケアシステムを作ろうと区が支援センターに委託して梅田地区で進めるモデル事業の一つ。飲食代は自費だが参加費は無料。事前の申し込みもいらない。

 開催のきっかけは、店を訪れている八十代の女性客だった。食事をして店を出ると、「おなかがすいた」とすぐにまた訪れるようになった。おかしな言動も目立つようになり、店長の三谷伸さん(26)が心配して支援センターに相談。女性は独り暮らしで、重度の認知症だったことが分かった。支援センターがケアマネジャーにつなぎ、支援を開始。施設やデイサービスの利用は本人の希望で難しく、女性がよく訪れ、居場所としている店が見守りを続けている。

 店での認知症カフェは支援センターが提案し、オーナーなど店側も協力した。三谷さんは「接客で特別な対応はしていないが、店としてできる範囲で地域に貢献したい」としている。

 支援センターの鈴木香世さん(54)は「認知症カフェを気軽に立ち寄れるまちなかのお店で開くことで地域のみんなで高齢者を見守り、支えていくきっかけになれば」と話している。

 

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