東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 東京 > 記事一覧 > 1月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【東京】

障害ある人もない人も ボッチャで楽しく熱戦 パラ代表もレベルアップへ

障害のある山下智子さん(左から2人目)のチームと、内ケ崎ちえさん(右端)ら凸版印刷ボッチャ部との試合=いずれも昨年11月、武蔵野市で

写真

 東京パラリンピックで活躍が期待される球技「ボッチャ」の裾野が広がっている。障害者向けに考案されたが、手軽に楽しめることから、地域や企業、教育現場に幅広く浸透。障害がある人もない人も、同じコートで熱戦を展開している。

 武蔵野市で昨年十一月に開かれた「ボッチャ東京カップ予選会」。一般の部のリーグ戦準決勝は同点のまま最終盤までもつれた。

 勝ったのは多摩市のチーム。障害者と健常者が「ボッチャを通じて交流しよう」と立ち上げた。重い障害がある元日本代表で主将の山下智子さん(40)は「みんなうまくなっている」と満足そうだった。

 ボッチャは重い脳性まひや、同程度の障害が手足にある人向けに欧州で考案された。一チーム三人。白の目標球に続き、赤と青の球を六個ずつ投げ、目標球への近さを競う。相手の投球を先読みして配球を考えるなど、緻密な戦略と正確な技術が勝敗を分ける。

 対戦した凸版印刷にはパラ競技の選手が所属。他の社員もパラスポーツを始めようということになり、「オフィスでスーツを着ていても練習できる」とボッチャ部をつくった。

 部員は約十五人。内ケ崎ちえさん(33)らは、「ランプ」と呼ばれる滑り台状の補助具を使って遠くまで正確に球を転がす山下さんに対抗し、目標球をコートの手前に置いて戦おうとしたが、惜敗した。「同じスポーツを通じ、相手と分かり合えるのが良いですね」

ボッチャ東京カップ予選会に出場した町田市立南成瀬小の児童ら

写真

 小学生の部に出場した町田市の南成瀬小は、都のボッチャ応援校に指定されている。五年生の前原隼翔君(11)は「チームのみんなと相談し、協力できるところが楽しい」。日本ボッチャ協会の広報担当者は「基本ルールが分かりやすく、コミュニケーション能力を育むという面で小学生でも取り組みやすい」と話す。

 スポーツ庁の調査によると、障害者で週一回以上スポーツをしているのは七〜十九歳が29・6%、二十歳以上が20・8%で、健常者を大きく下回る。専用施設や指導員が不足しているためで、ボッチャのように障害の有無にかかわらず、ともに楽しめる機会が増えることが期待される。

 日本代表が銀メダルを獲得した二〇一六年のリオデジャネイロ・パラリンピック後、協会の会員数は一六年の約百八十人から一九年には約九百人に増えた。日本代表の村上光輝監督(45)は「草野球のように気軽に楽しむ『草ボッチャ』の選手は多い。競技がさらに浸透し、代表選手のレベル向上につながればうれしい」と話している。

写真
 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報