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【東京】

ドキュメンタリーを実録 作品・制作現場の批評誌 来月1周年

批評誌「f/22」を作った満若勇咲編集長=渋谷区で

写真

 ドキュメンタリー作品のカメラマンや録音担当、ディレクターら有志がつくる批評誌「f/22(えふ・にじゅうに)」が来月、創刊から一年を迎える。発行元は映像制作会社「ハイクロスシネマトグラフィ」(渋谷区)。作品のみならず、制作現場を批評的に取り上げて発信を続ける。 (中村真暁)

 年二回の刊行が目標。業界のフリーランスの労働環境や多重下請け構造の問題点のほか、雑誌への反論があれば積極的に取り上げていく。フリーカメラマンで編集長の満若(みつわか)勇咲さん(33)は「業界内で批判し合うことがない。風通しをよくしてドキュメンタリーを面白くしたい」と話す。

 「f/22」はカメラのレンズで画面全体にピントを合わせるときの絞り値を指す。「都合がいい部分のみならず、全てに焦点を当てる」という思いが込められている。「議論が蓄積するよう、ネットではなく形が残る雑誌にこだわった」と満若さんは言う。

 昨年二月の創刊号に続き、十一月に刊行した第二号の特集は「撮られる者たちの眼差(まなざ)し」。目玉は、フジテレビの番組「ザ・ノンフィクション」で取り上げた難病当事者やその家族とディレクターの対談で、撮られることへの迷いの有無、素の自分を出せたか、人生に何か影響したかなどを尋ねた。

 ほかは、ドキュメンタリー映画の撮影中に性的シーンの撮影を強要された男性が、実名で告発するインタビューなど。撮る側と比べて立場が弱くなりがちな撮られる側の葛藤や思いに迫ることで、撮影や取材をする側の課題を追った。

 満若さんは「デジタル機器の進化で、誰もが撮影者になる時代。撮影の仕方を客観視し、撮られた人に耳を傾けるべき時期だ」と話す。

 f/22は同社サイトや事務所などで販売中。創刊号は千七百六十円、第二号は二千二百円(税込み)。

    ◇

 満若さんらは二十日午後四時半から、イベント「ドキュメンタリーの立脚点〜撮られるものたちの眼差し〜」を、千代田区平河町二の城西国際大学紀尾井町キャンパス三号棟大教室で催す。参加無料。

 第一部はアフガニスタンで銃撃され亡くなった中村哲医師を二十年間追い続けたプロデューサー兼カメラマンの谷津賢二さん、第二部は映画「i新聞記者」などの監督森達也さんが講演する。

 

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