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【東京】

武蔵野市が購入目指す 旧赤星鉄馬邸で講演会 25日、作家・与那原さん招き

旧赤星鉄馬邸で講演する与那原恵さん=いずれも武蔵野市で

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 実業家の赤星鉄馬(一八八三〜一九五一年)が暮らした昭和初期の鉄筋コンクリート造(RC)住宅「旧赤星鉄馬邸」(武蔵野市吉祥寺本町)で二十五日、特別講演会「赤星鉄馬の生涯」が開かれる。ノンフィクション作家の与那原恵さん(61)を講師に招き、歴史の中に消えていった謎の多い富豪の生涯にスポットを当てる。 (花井勝規)

 旧赤星邸を巡っては、武蔵野市が購入に向けて所有者と詰めの協議に入っている。講演会は、昨秋から保存を目指して署名活動をしている市民グループ「旧赤星邸の緑と建物を武蔵野市公共施設として保存活用を願う会」が企画した。

 鉄馬は、明治期に海軍相手の武器商人として巨利を得た赤星弥之助の長男として誕生。実業家として活躍する一方、相続した遺産の一部から資金を提供し、日本初の本格的な学術財団「啓明会」を設立した。外来魚のオオクチバス(ブラックバス)を日本に移入したことでも知られる。

 啓明会の取材を端緒に鉄馬に興味を抱いた与那原さんは昨年十一月、取材と執筆に六年を費やした労作「赤星鉄馬 消えた富豪」を中央公論新社から刊行した。与那原さんは「鉄馬は日本の近代史上よく知られた人々と交わり、歴史的場面にも立ち会っていた」と語る。ただ、鉄馬が人生について何も書き残していないのは「通算八年に及んだ米国留学の経験から、富豪が社会に貢献するのは当然だと考えていたためではないか」とみる。

 旧赤星邸はJR吉祥寺駅の北西約一キロの住宅街にあり、敷地は四千平方メートル超。二階建て延べ三千五百平方メートルの住宅は一九三四年に建てられた。米国人建築家アントニン・レーモンド(一八八八〜一九七六年)が設計し、近代モダニズム建築の特徴を色濃く残している。終戦前の四四年に陸軍に、終戦後は連合国軍総司令部(GHQ)に接収された。五六年、カトリック・ナミュール・ノートルダム修道女会が購入し、シスターの養成施設として使われてきた。

 与那原さんの講演会は午後一時半から。サイン会や建物の見学会もある。参加費五百円。定員は先着百人。問い合わせは同会=メールginza-eikou@za3.so-net.ne.jp=へ。

旧赤星鉄馬邸の玄関

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