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【東京】

<ひと ゆめ みらい>笑顔も収穫「農業体験」 自由が丘近郊で農園運営 栗山貴美子さん(30)=目黒区

ふくよかに育った大根を抜いて見せる栗山さん=目黒区八雲の「栗山農園」で

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 ブティックやカフェなどおしゃれな店がひしめく東京・自由が丘。駅前から十分ほど歩いた目黒区の住宅地に「栗山農園」がある。農園主は、栗山貴美子さん(30)。

 栽培しているのは、大根やハクサイ、タマネギ、ホウレンソウと多い。併設の直売所で販売したり、近所の学校の給食用に卸したり。地域の人向けの収穫体験やミニ農業体験も、区と協力して続けている。

 栗山さんの一家はもともと、家族で造園業を営んでいた。祖父が高齢になって「シフトチェンジ」し、畑を作るように。その祖父が四年前に亡くなり、栗山さんが農園主に。父は既に他界し、一人っ子だったため「継がない選択肢はなかった」。

 当時、栗山さんは農協職員だったが、一年後に退職。今は母の由江さん(62)や手伝いのスタッフの手も借りながら、広さ約三十アールの農園を運営している。

 収穫体験は、六月にジャガイモ、秋にはキャベツ。ジャガイモ掘りは、栗山農園を含め区内複数の農家で一斉にしているが、毎年、応募が定員を上回る盛況ぶりという。

 九月からは、種まきや苗から野菜を育て、収穫する「ミニ農業体験」も実施。野菜を食べられない、土にさわれない…そんな子どもたちが、栗山さんの畑で自ら取り、持ち帰った野菜を食べたら「おいしい!」と感動。その体験をきっかけに「子どもが野菜を食べられるようになりました」と、母親らから聞くことも。この催しの人気は年々高まり、繰り返し参加する親子もいるという。

 秋には、近所の小学校の低学年も大根の種まき体験に訪れる。収穫した大根は、目黒区農業振興運営協議会が区内のほかの農家の収穫分も集め、JA世田谷目黒を通して区立の全小中学校とこども園に寄付。学校ではこの大根を給食にして都市農家や地産地消について教え、「食育」に役立てている。

 最近、農園内にビニールハウスを作った。そこで夏はトマト、冬はコマツナやホウレンソウなどを栽培し「主力野菜」にしていきたいという。

 「自由が丘にはレストランやスーパーがたくさんある。できればそこに置いて、地元で食べていただきたい」。栗山さんは夢を語った。 (岩岡千景)

<メモ> 目黒区によると、区内の農家は現在12戸、農地の総面積は2.09ヘクタール(2019年度)。トマトやブドウ、コマツナなどを栽培している。初夏や秋などの収穫体験は、区の広報やホームページで案内している。

 

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