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【東京】

滋賀の陶人形作家が修復 桜美林大 中江藤樹の信楽焼陶像

修復が完成した中江藤樹像と葛原さん=いずれも町田市の桜美林大で

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 町田市の桜美林大学の中庭にある江戸初期の儒学者・中江藤樹像の修復が終わり、二十二日、関係者らに披露された。修復を手掛けたのは、旧桜美林短大の卒業生で、現在は信楽焼の陶人形を中心に制作活動を続けている陶芸家・葛原準子さん(64)=滋賀県甲賀市信楽町。約四十五年前、座像を同大に寄贈したのは実父で、葛原さんは「不思議なご縁を感じる」と話している。 (花井勝規)

 像は信楽焼の陶製で高さは九十センチほど。桜美林大などを運営する学校法人桜美林学園の創立者で牧師の清水安三(一八九一〜一九八八年)が信楽町を訪ねた際、町内の店に置かれていた像を気に入り、葛原さんの父・平岡昭さんが購入し、贈呈したらしい。

 中江藤樹は「近江聖人」とも呼ばれる滋賀県の偉人。安三の孫で、清水安三記念館(滋賀県高島市)の館長を務める清水賢一さん(74)によると、安三は小さい頃から、中江藤樹を信奉していたという。安三は旧制中学時代に米国出身の建築家で伝道者のヴォーリズと出会い、キリスト教徒に。布教のため渡った中国では貧困家庭の女子のための学校を作った。「藤樹先生はすべての人々に分け隔てなく学問を教える塾を開いた。すべての人々はみな同じというキリスト教の教えと共通する」と清水さん。

 像は経年により、脇差しが欠落したり、あちこちにひび割れが入るなど劣化がひどかった。学園は創立百周年を来年に控え、葛原さんに修理を依頼。葛原さんは窯で焼いて欠落した部分を作り、ひびはパテで補った。あせた色も補色した。

 ちょうど信楽焼の女性陶芸家が主人公のドラマがNHKで放映中。葛原さんも、陶人形の分野では第一人者に成長した。「像の修復で、少しは安三先生に恩返しができたかなと思う」と話していた。

18日に行われた中江藤樹像の修復作業

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