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【東京】

<東日本大震災9年>「被害、見える化したかった」 渋谷の福島原発事故シンポも中止

シンポが中止となり、「FoEJapan」のスタッフと今後の対応などを話し合う満田さん(左)=板橋区で

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 東日本大震災から十一日で九年。新型コロナウイルスの影響でイベント中止が相次ぎ、渋谷区で予定した東京電力福島第一原発事故を語り継ぐためのシンポジウムも残念ながら取りやめとなった。主催団体の一つ国際環境NGO「FoE Japan」(板橋区)の満田夏花(みつたかんな)事務局長は「『見えない化』されている被害を『見える化』したいと考えていた。事故から十年の来年は是非、シンポを開催したい」と力を込める。 (小田克也)

 「海外からのゲストもいるし、福島から人も呼ぶ。東京の雑踏の中で万一、感染させるようなことがあってはならないと考えた」。満田さんはシンポ中止の理由をそう説明した。

 当日は、福島大の後藤忍准教授(環境計画)らが事故をどう伝えていくか話す予定だった。福島県飯舘村で農業に取り組む長谷川健一さんらが福島の被害の現状を、福島第一原発の元作業員らが過酷な被ばく労働の実態を報告、脱原発を決めているドイツの州議会議員らがエネルギー問題を議論するはずだった。

 語り手は総勢二十四人。十一日は約四百人、福島市内でも十四、十五の両日、同様の内容で開き、計二百人の来場を見込んでいた。FoE Japanは、住宅提供の打ち切りなど避難者を取り巻く厳しい現状を伝えるため、パンフレットを作るなど約一年かけて準備していた。

 政府は四日、福島県双葉町の全域に出ている避難指示を、駅周辺などの一部で解除した。常磐線全線再開を控えて昨年四月に一部で避難指示が解除された大熊町では五日に大野駅周辺で、富岡町では十日に夜ノ森駅周辺で避難指示が解除された。

 満田さんは「一部解除するだけだが、安倍晋三首相は復興と言う。復興自体は喜ばしいが、本当の意味での復興なのか」と疑問を呈する。

 「避難している方は厳しい状況に置かれている。住宅支援もどんどん打ち切られ、経済的に困窮している人もかなりいる。ところが政府はコロナ同様、しっかり調査しないから被害の全貌が見えてこない」と指摘した。

 

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