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【親子でぶらり 学べるスポット】

向井潤吉アトリエ館(東京都世田谷区) 暮らしと作品 画家を感じる

土蔵を改築したアトリエが展示室の一つに=世田谷区弦巻で

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 世田谷の閑静な住宅地に、古民家を描いた洋画家、故向井潤吉氏(1901〜95年)の作品を集めた「世田谷美術館分館 向井潤吉アトリエ館」がある。

 向井氏は、戦後の画壇で何が流行しようがお構いなしに、ひたすら国内の草ぶき屋根の家を描き続けた。死後25年近くたつが、絵の人気は衰えず、むしろ輝きを増している。

 館は、向井氏の住居兼アトリエで、数百点の作品ともども、世田谷区に寄贈された。開館した当初は、向井氏も存命で、館の名前などは氏と相談して決められた。「画家が住み、制作したその場で作品を鑑賞できるというのは珍しいと思います」と同館の天野麻子さんは話す。

 日当たりのいい室内。よく手入れされ、柿とケヤキの大木がそびえる庭。昭和前期、まだ土地に余裕があった頃の山の手の住宅の雰囲気だ。岩手県一関市の旅館から移築した蔵がアトリエになっており、画題とした古民家の味わいも感じられる。

 現在は「民家の旅」と題し、3月17日まで約40点を展示している。「アトリエにこもって制作するというよりも、戸外でイーゼルを立ててその場で描くことが多く、現地の感覚を大切にした画家です」と天野さん。風景をそのまま写すのではなく、時を経た民家と周囲の自然との調和を、鑑賞者に伝えるような作品だ。

 社交的でありながら、きちょうめん。旅先の弁当の包みや箸袋をスケッチブックに貼って保存していた。そんな記録の一端も展示されている。

 世田谷美術館(砧公園)の分館は、他に清川泰次記念ギャラリー、宮本三郎記念美術館の2館があり、世田谷に住んだ画家の業績を後世に伝える役割を担う。 (吉田薫)

◆ひとこと

 美しい土地が惜しげもなく切り開かれて住宅地に一変。私は奥へ奥へと逃げるようにスケッチの場所を移動していった。(埼玉県について述べた向井さんの文章から)

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 ★メモ 東京都世田谷区弦巻2の5の1、東急田園都市線駒沢大学駅から徒歩10分。案内看板が各所にある。駒沢中学校そば。観覧料一般200円。開館10〜18時。原則月曜休館。3月18日から4月1日まで、展示替えのため休館。(電)03・5450・9581

●足を延ばせば…

 ★清川泰次記念ギャラリー 世田谷区成城2の22の17。小田急線成城学園前駅南口徒歩3分。故清川泰次氏は、浜松市出身で、独自の抽象画の世界を構築し、立体作品も手掛けた。氏の自宅兼アトリエを改築した。作品紹介に加え、区民ギャラリーも併設。観覧料、開館時間や休館日は向井潤吉アトリエ館と同じ。(電)03・3416・1202

 ★宮本三郎記念美術館 世田谷区奥沢5の38の13。東急線自由が丘駅徒歩7分。洋画家・故宮本三郎氏は石川県出身。装飾的で華麗な人物画を得意とし、女優や歌手を描いた作品で人気を集めた。その自宅兼アトリエ跡地に立ち、画業を紹介している。観覧料、開館時間や休館日は向井潤吉アトリエ館と同じ。創作活動や各種講座も開かれている。(電)03・5483・3836

 

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