東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 東京情報 > 学ぶ・知る > 親子でぶらり 学べるスポット > 記事

ここから本文

【親子でぶらり 学べるスポット】

檜枝岐尾瀬美術館(福島県檜枝岐村) 秘境生活伝える出作り小屋

再現された出作り小屋。中には囲炉裏や展示物がある

写真

 名勝・尾瀬の福島県側の入り口に位置する檜枝岐(ひのえまた)村は、平家落人の里の伝説を持つ秘境の中の秘境である。あまりに寒冷であるために稲作ができず、古来、村人は狩猟や林業で生きてきた。そのためか、会津地方の一角にありながら会津なまりの言葉を話さない、姓が3つしかないなどほかの村とは違う独自の文化と伝承を守ってきた。

 千葉県在住で二科会会友の彫刻家、吉野ヨシ子さんは、山登りで立ち寄ったこの村に魅(み)せられ、古い民宿を買い取って、仲間たちの作品を展示する美術館を開いた。目を引くのは、敷地内に再現された茅葺(かやぶ)き屋根の出作り小屋だ。村人たちは道路が未整備な時代、山奥の畑でそばを収穫したり、山菜を採ったりするために、夏の期間だけ、集落を離れて山の小屋で寝起きした。この小屋が出作り小屋で、かつては村内に70ほどもあったが、今ではほとんど残っていない。秘境の生活を伝える文化財は一見の価値がある。

 美術館がある集落は特に雪が深く、11月から5月初旬までは人が住めなくなる。吉野さんは春になると檜枝岐に来て、秋まで暮らす生活を続けている。

 今季は第2回絆展として、10回の作品展を企画している。

 5月31日から6月11日までは、著名な油彩画家・中谷時男さんと地元の93歳の女性、平野タツエさんの手芸作品などを展示する予定。一流の芸術家の作品の傍らに、地元檜枝岐の作家の素朴な味わいの作品が並んでいるのが面白い。

 「作品と作品がこの福島という場所で出合い、縁を持つ。そんな妙味を感じてほしい」と吉野さん。福島県田村市の出身で、東日本大震災、原発事故の後、古里の復興に心を砕いてきた。アートを力に変えたいという気持ちが手弁当の活動を支えている。 (坂本充孝)

◆ひとこと

 毎年8月に村歌舞伎の公演がある。山裾につくられた常設の歌舞伎舞台で、月光に照らされて演じられる芝居には、特別の趣がある。

写真

 ★メモ 福島県檜枝岐村黒岩山1738の1。電車では東武線浅草駅から東武特急リバティ会津に乗車、会津高原尾瀬口駅で下車、同駅から会津バスに乗り、檜枝岐村役場前まで(約90分)。水・木は休館。(電)080・3094・6265吉野さん

●足を延ばせば…

 ★ミニ尾瀬公園 檜枝岐村左通。会津高原尾瀬口駅からバスで約90分、車では西那須野塩原ICから約2時間。ミズバショウの集落など尾瀬の自然が凝縮してつくられ、手軽に楽しめる。園内のカフェで食べられるサンショウウオジェラート(800円)が名物。サンショウウオの薫製が丸ごとジェラートに突き刺さっている。年内は11月4日まで開園。入園料大人500円。(電)0241・75・2065

 ★駒の湯と燧(ひうち)の湯 村内にある日帰り温泉。檜枝岐川を見下ろすのが駒の湯でアルカリ性単純温泉。舟岐川を見下ろす燧の湯は単純硫黄温泉。いずれも掛け流しで、露天風呂などの施設も充実。料金はいずれも大人500円、子ども250円。駒の湯=(電)0241・75・2655、燧の湯=(電)0241・75・2290

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報