東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 東京情報 > 学ぶ・知る > 親子でぶらり 学べるスポット > 記事

ここから本文

【親子でぶらり 学べるスポット】

奥鬼怒温泉郷(栃木県日光市) 「不便を楽しんでもらう」

鬼怒川源流の原生林の中にたたずむ加仁湯=栃木県日光市で

写真

 利根川の支流の中で最も長い鬼怒川(約176キロ)は栃木、群馬両県の境に位置する鬼怒沼を水源としている。この鬼怒川の源流に向かって川沿いの県道23号をさかのぼると、女夫渕(めおとぶち)に車止めがあり、車両は進入禁止となる。この先にも八丁の湯、加仁(かに)湯、日光沢温泉、手白沢温泉と一軒宿の温泉が4つあり、奥鬼怒温泉郷と呼ばれている。

 八丁の湯と加仁湯には送迎バスがあるが、日光沢温泉と手白沢温泉に行くには2、3時間も遊歩道や林道を歩いて行くしかない。それでも秘境の雰囲気に包まれた極上の湯を求めるファンは引きも切らない。

 今回は加仁湯を訪ねた。

 開湯は1927(昭和2)年。小松輝久社長(54)の5代前の先祖が猟の途中に見つけ、掘り出したという。当初は山小屋そのものだったが、36年前に改築。現在は鉄筋4階建ての本館・積善館と木造2階建てのあすなろ館がそびえている。

 館内には電話、テレビも空調もあるが、周辺には岩を割って流れる鬼怒川源流と太古の昔そのままの原生林があるだけ。

 3つの露天風呂、内湯に、5つの源泉から湯を引いており、いずれも肌がつるつるになると評判の美人の湯だ。家族向けに水着着用のプールもある。 

 「トレッキングや渓流釣りを楽しんで温泉で汗を流し、のんびりするお客さんがほとんど。送迎バスに乗らず、女夫渕から2時間もかけて歩いてきた子どもさんなどは宿にたどり着き、歓声を上げています。都会にはない不便を楽しんでもらうのが、ここの良さです」と小松社長は笑顔で話す。

 1975年、写真家の青柳陽一氏らが中心となり、奥鬼怒岩魚保存会を結成。加仁湯を拠点に自然保護活動などを続けて有名になった。スポーツ好きで知られた故三笠宮寛仁親王がイワナ釣りを楽しんだこともある。冬は雪見風呂のプランも用意しているそうだ。 (坂本充孝)

◆ひとこと

 奥鬼怒一帯は平家落人伝説の宝庫。平家塚、平家杉などの史跡が点在。日光マタギと呼ばれる猟師の文化もあった。いろり端で聞くそんな昔語りは何よりのごちそう。

写真

 ★メモ 公共交通利用は東武鉄道浅草駅から東武鬼怒川線に乗り、鬼怒川温泉駅で下車。日光市営バスで女夫渕まで。加仁湯と八丁の湯までは送迎バスがある。予約は加仁湯(電)0288・96・0311、八丁の湯(電)0288・96・0306、手白沢温泉(電)0288・96・0156、日光沢温泉(電)0288・96・0316

●足を延ばせば…

 ★鬼怒沼湿原 栃木県日光市。火山性の台地を起源とし、湿原の泥炭の堆積は2メートル以上にもなる。尾瀬ケ原よりも高い位置にあり、標高2000メートル以上の高地にある湿原で大小47の池塘(ちとう)がある。高山植物の群落が見られる。環境省により「日本の重要湿地500」に選定されている。奥鬼怒温泉郷最奥の日光沢温泉から徒歩2時間半の登山になる。

 ★川俣湖 栃木県日光市。川俣ダムの完成によりできた人造湖。つり橋から見る絶景が評判で、紅葉の名所としても知られる。ダムはアーチ式コンクリートダムで、鬼怒川の最も上流に位置する鬼怒川上流ダム群のひとつ。高さ117メートル。1966年に完成した。2017年からダム周辺の補強工事が始まり、大型足場が話題となった。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報