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【親子でぶらり 学べるスポット】

天平の丘公園(栃木県下野市) 万葉集の時代に思いはせ

苔(こけ)むした額田王の歌碑=いずれも栃木県下野市で

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 新元号「令和」の出典が「万葉集」だったことから万葉ブームが起きている。天平の丘公園(27万平方メートル)には、市が設置した万葉歌の石碑や銘板が点在している。ほかにも万葉集完成と同じ奈良時代、聖武天皇の勅願で建てられた国分寺跡と国分尼寺跡(いずれも国指定史跡)や古墳時代後期(6世紀末から7世紀初め)の古墳群もある。森林浴を楽しみながら、古代のロマンに静かに思いをはせるには恰好(かっこう)の場所だ。

 公園入り口付近にあるのが額田王(ぬかたのおおきみ)の有名な歌「あかねさす紫野行き標野(しめの)行き野守は見ずや君が袖振る」の石碑。大化の改新で政権を握った天智天皇に愛された額田王が元恋人の大海人皇子(おおあまのおうじ)(天智の弟で後の天武天皇)に「あなたが袖をお振りになるのを野の番人に気づかれないかしら」と詠(うた)いかけた。2人の男の間で揺れる女心を詠んだ。

 ここから少し離れた所には大海人皇子の返歌碑「紫草(むらさき)のにほへる妹(いも)を憎くあらば人妻故に我(わ)れ恋ひめやも」も。歌聖・柿本人麻呂や令和出典の梅花の序を書いたという大伴旅人(たびと)の子で万葉集編者とされる大伴家持、九州防備に送られた東国出身の防人(さきもり)の歌など石碑や銘板が20カ所以上ある。

国分寺跡は門柱などがあるだけだが、スマホのアプリで往時の建物を再現したバーチャル映像を楽しめる

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 国分寺跡、国分尼寺跡は基壇や門柱があるだけ。古墳群も樹木に覆われているが、スマホのアプリを使うと、往時を再現した建物や古墳の映像をバーチャル体験できる。

 園内の一角には万葉歌に詠まれた植物127種を植えた「万葉植物園」もある。ただ手入れが追いつかず、枯れてしまったものも少なくない。万葉歌の銘板も一部傷んでしまっている。市は万葉ブームを機に観光客誘致へ向け、8月までに銘板修復とともに令和出典の序「初春の令月にして、気淑(よ)く風和(やわら)ぎ…」を記した新たな銘板も設置する。 (藤英樹)

◆ひとこと

 散策に疲れたら、園内の古民家カフェ「夜明け前」で一休み。囲炉裏(いろり)などがある築160年の建物内で軽食などを楽しめる。軒には古い酒屋などに見られる酒林(杉玉)が吊(つ)るされている。

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 ★メモ 下野市国分寺。北は栃木市、南は小山市と接している。入園無料、出入り自由。JR小金井駅から徒歩約40分。歩くのが大変な人は駅前からレンタサイクルを利用すると便利。夏場はやぶ蚊対策を万全に。下野市観光協会(電)0285・39・6900

●足を延ばせば…

 ★しもつけ風土記の丘資料館 公園内にある。古墳群から発掘された埴輪(はにわ)や土器、古銭などを復元展示。特に注目は国分寺跡の隣の甲塚(かぶとづか)古墳(6世紀後半)から出土した女性の機織り形埴輪で全国初。赤い玉模様の衣服を着ている。出土品97点は国の重要文化財に指定。開館9〜17時。無料。原則月曜と第3火曜、祝日の翌日は休館。(電)0285・44・5049

 ★下野薬師寺歴史館 下野市薬師寺1636。薬師寺跡(国指定史跡)は奈良の薬師寺と同じく7世紀後半、天武天皇の創建と伝えられる。奈良時代になると、奈良の東大寺などとともに、僧の資格を得るための戒壇が設置された。皇位継承をもくろんだ道鏡の左遷寺として有名。利用案内は風土記の丘資料館と同じ。(電)0285・47・3121

 

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