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【親子でぶらり 学べるスポット】

神奈川県立金沢文庫(横浜市金沢区) 歴史は鎌倉時代中期から

金沢北条氏滅亡後、貴重な書物を管理した称名寺=横浜市金沢区で

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 横浜といえば、江戸幕末に開港した歴史の浅い町というイメージが強いが、ここ金沢文庫の歴史は鎌倉時代中期に始まる。建てたのは鎌倉幕府執権・北条氏の一族である金沢北条氏の初代・北条実時(さねとき)(1224〜76年)。

 鎌倉から少し離れたこの地は当時、武蔵国久良岐郡六浦荘金沢と呼ばれた。実時はここにまず、居館と一族の菩提(ぼだい)寺である称名寺(しょうみょうじ)を建てた。さらに亡くなる直前の1275年ごろ、それまでに収集した漢籍や和書など貴重な書物を収蔵するため居館内に建てたのが金沢文庫だった。

 なぜ実時は金沢文庫を建てたのか。学芸員の三輪眞嗣さんは「個人的に興味があったのでは」と推測する。鎌倉武士というと武張った印象があるが、実時やその子孫は中国の詩文集「文選(もんぜん)」の注釈書「文選集注」や「白氏文集」などを愛読する文人気質の強い一族だったようだ。「実時の孫・貞顕(さだあき)は京都の六波羅探題(朝廷監視の役所)を務めました。公家たちと渡り合うための知識を持つ必要もあった」と三輪さん。

国宝 北条実時像 鎌倉時代 称名寺所蔵(金沢文庫保管)

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 1333年、鎌倉幕府滅亡とともに金沢北条氏も滅ぶ。主を失った金沢文庫の膨大な書物は隣の称名寺が管理することとなったが、徳川家康ら時の権力者たちが持ち出してしまう。「金澤文庫」と蔵書印の押された貴重な書物が今、全国に散らばっている。そんな中で散逸を免れた「文選集注」「金沢北条氏四代の肖像画」、2万点を超える「称名寺聖教(しょうぎょう)・金沢文庫文書(もんじょ)」が国宝に指定。金沢北条氏ゆかりの人物とされる「徒然草」の著者・吉田兼好関係の資料なども所蔵している。

 金沢文庫は県立施設となって来年で90年、歴史博物館としてリニューアルされてからも30年の節目を迎える。 (藤英樹)

◆ひとこと

 今は中世歴史博物館と銘打つが、県立施設としてスタートしたときは図書館だった。その名残で図書閲覧室もあり、郷土資料など7万冊の蔵書を見られる。

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 ★メモ 横浜市金沢区金沢町142。京急線金沢文庫駅下車、徒歩12分。観覧料は一般250円、20歳未満・学生150円、65歳以上・高校生100円など(特別展開催時は特別展観覧料に)。開館9時〜16時半。原則月曜休館。隣接する称名寺にも立ち寄りたい。(電)045・701・9069

●足を延ばせば…

 ★旧伊藤博文金沢別邸 横浜市金沢区野島町24、野島公園内。明治の元勲で初代内閣総理大臣を務めた伊藤が明治31(1898)年に建てた別荘。市指定有形文化財。老朽化していたが、市が創建当時の形に復元した。入館無料。開館9時半〜16時半。第1・3月曜休館。(電)045・788・1919。伊藤が明治憲法を起草した地・横須賀市夏島町の記念碑は徒歩約40分。

 ★金沢動物園 横浜市金沢区釜利谷東5の15の1、金沢自然公園内。世界の希少草食動物を中心に飼育・展示している。緑豊かな丘陵の高台に位置し、東京湾を隔てて房総半島なども望める。開園9時半〜16時半。入園料一般500円、高校生300円、小中学生200円など。土曜は小中高生無料。原則月曜休園。(電)045・783・9100

 

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