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【親子でぶらり 学べるスポット】

河井継之助記念館(福島県只見町) 八十里越 幕末の英傑 最期の地

継之助の像(右)、終焉の間などが収容された記念館のフロア

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 司馬遼太郎の歴史小説「峠」に描かれた幕末の英傑、河井継之助(つぐのすけ)を知る人は多いだろう。戊辰(ぼしん)戦争で、幕府側・東軍の長岡藩の家老として戦い、討ち死にした。敗軍の将ではあったが、西郷隆盛に「一代の傑物」と評されるほどの人物であったという。

 その継之助の記念館が、新潟県長岡市と峠を隔てた福島県只見町にある。

 151年前の1868年7月、反幕府の西軍に攻め込まれ、長岡城は陥落する。重傷を負った継之助は約2500人の藩士、家族とともに会津藩に逃れるために木の根峠を戸板に乗せられて越えて行く。

 峠道は8里(32キロ)ほどだが、あまりに険しい道であるために「八十里越」と呼ばれた。

 八十里こしぬけ武士の越す峠

 と詠んだ継之助は、只見に着いて12日後に息絶える。

 42歳で命を落とした隣藩の家老を只見の人々は手厚く葬り、遺品は保存した。その縁で記念館が1973年に開館。鉄筋2階の立派な建物に、終焉(しゅうえん)の場所となった村医者の屋敷の部屋などが移築展示されている。

 継之助の像、写真、書簡などのほか、戊辰戦争で使われたガトリング砲なども並んでいる。

 興味深いのは、奥越出兵図屏風(びょうぶ)で、3枚の絵に当時の戦闘の場面が描き込まれている。西軍の富山藩の武士が帰郷後に絵師に描かせたもので、説明などは西軍視点に立っているが、描写は具体的で精緻だ。突撃の場面から昼食の風景まで描き込まれており、見飽きない。近くの医王寺には墓もあり、8月16日の命日には墓前祭がある。

 東京が「維新150年」のイベントでにぎわった昨年、会津地方では、あえて「維新」の言葉は使わず、「戊辰150年」の催し物がめじろ押しだった。

 首都圏にいると敗者の視点は見落としがちになる。もう一つの日本史をここで学べる。 (坂本充孝)

◆ひとこと

 継之助の物語は小泉堯史監督、役所広司主演で映画となり、来年公開される。タイトルは「峠 最後のサムライ」。

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 ★メモ 福島県只見町塩沢上の台850の5。上越新幹線・浦佐駅からJR上越線、只見線と乗り継いで只見駅下車。駅からタクシーで約10分。マイカーは東北自動車道・西那須野塩原ICから約2時間半。関越自動車道・小出ICから約1時間半。入館料大人300円、小中学生150円。開館10〜16時。原則木曜日と荒天の日は休館。11月中旬〜4月下旬は冬季休館。(電)0241・82・2870

●足を延ばせば…

 ★只見線復旧工事見学ツアー JR只見線は2011年7月の新潟・福島豪雨の被害で只見駅−会津川口駅間が不通。只見線の全線復旧を支援する応援団限定で被害現場をタクシーで見学して回れる。誰でも入会可能。1日2運行。料金1人2500円。詳細は只見町観光まちづくり協会(電)0241・82・5250。

 ★ふるさと館田子倉 只見町ブナセンター付属資料館 只見町只見田中1299。田子倉ダムの建設により水没した旧田子倉集落の歴史と文化を伝える歴史民俗資料館。展示資料の多くが皆川文弥氏(故人)による収集で、私設資料館として開設、後に町が取得した。開館9〜17時。最終受け付けは16時。入館料高校生以上300円、小中学生200円。未就学児は無料。原則火曜休館。(電)0241・72・8466

 

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