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【親子でぶらり 学べるスポット】

遠藤貝類博物館(神奈川県真鶴町) 相模湾産から「生きた化石」まで

地元相模湾で見つかった貝類。ずらりと並んださまは宝石のようだ=いずれも真鶴町立遠藤貝類博物館で

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 相模湾に突き出た真鶴半島は徒歩で3時間もあれば一周できる小さな半島。一帯は神奈川県立自然公園に指定されている。照葉樹林には300年前から植えられてきた松やクスが生い茂り、魚付き林となり海の生物多様性を守っている。遠藤貝類博物館は半島の先端に立つ。

 4500種・5万点の貝類(貝殻)を所蔵する。2010年に町立施設として開設されたが、館名に「遠藤」とあるように、地元の収集家・遠藤晴雄さん(06年に91歳で死去)が集めて自宅に開設した私設博物館が前身だ。

 「変わったおじさんだったようです」と小渕正美学芸員。少年の頃から顕微鏡を覗(のぞ)くのが好きで、中学時代に逗子で、昭和天皇の海岸散策の案内役を務めた横須賀の貝類研究家・細谷角次郎さんと出会ったのをきっかけに貝の世界にのめり込んだという。小中学校教師や町教育長を務めながら収集を続けた。

世界で30種が知られるうち27種がそろうオキナエビスガイ。(左)は30センチ近い最大のリュウグウオキナエビスガイ

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 館内は4つの展示室に分かれ、うち貝類に特化した3室では、それぞれ地元相模湾の貝、日本各地の貝、世界の貝が並んでいる。一番の注目は「生きた化石」と呼ばれる「オキナエビスガイ」のコレクション。世界に30種が知られるうち27種がここにそろう。

 二枚貝の仲間なのに長さ50センチもある「ツツガキ」はゴボウのような筒形でとても貝には見えない。日本一小さな「ミジンワダチガイ」は直径わずか0・6ミリ。逆に「オオジャコガイ」は重さ200キロを超える。見て回るうち貝のイメージが変わってくる。

 貝を取り巻く環境問題についても展示している。「環境ホルモンでオス化した貝もいます。磯焼け(海藻類の減少)でアワビが減っている。拡散するマイクロプラスチックの影響も心配」と小渕さんは警鐘を鳴らす。博物館はビーチコーミング(漂着物の観察)など体験プログラムを通じて環境学習にも力を入れる。 (藤英樹)

◆ひとこと

 すし種で人気の赤貝や潮干狩りの定番ハマグリも実は江戸前のものは減り、サトウガイやサルボウ、チョウセンハマグリやシナハマグリなど外来種だそうだ。

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 ◆メモ 神奈川県真鶴町真鶴1175。JR東海道線真鶴駅からバスで20分、三ツ石・ケープ真鶴下車。本数が少ないのでタクシー利用も。開館9時半〜16時半(入館は16時まで)。観覧料は大人300円、小中学生150円。休館日は原則木曜と年末年始。(電)0465・68・2111

●足を延ばせば…

 ★真鶴町立中川一政美術館 神奈川県真鶴町真鶴1178の1。洋画家の中川画伯(1893〜1991年)から油彩や書、陶器など約600点を寄贈された町が1989年に開館。画伯は1949年に町内にアトリエを構え、福浦の港や箱根などを描いた。福浦の堤防について「雨が降らなければ毎日通った。青天井の大画室」と書いている。観覧料大人600円、高校生以下350円。開館9時半〜16時半。水曜と年末年始は休館。(電)0465・68・1128

 ★お林展望公園 中川一政美術館に隣接。「お林」とは真鶴半島の照葉樹林を指す地元の呼称。園内の建物に画伯のアトリエが復元され一般公開されている。公開時間など詳細は美術館へ。園内からは相模湾や伊豆半島、大島や初島などが見渡せる。

 

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